欧州日本人医師会の青年会員は現在22名。ヨーロッパの医大生や卒業生が、各国の医療・大学・就職情報などを交換したり、サポートし合ったり。

2014年06月19日

ブルガリアの家庭医学研修

 マルタのmin先生に続き、ブルガリアで卒業を間近に控えたインターンのSoulです。ブルガリアに限らず、ヨーロッパの医学部では卒業前の一年間は大学病院で研修することになっていると思います。私の大学では大学病院の実習以外に、家庭医の先生の診療所での実習が義務付けられています。

 ヨーロッパでは当たり前の家庭医。日本でも少しずつ定着しつつある概念ですが、『実際どういうことをしてるの?』と思う方も多いのではないでしょうか。今月は家庭医の下で研修をしていますので、今日はその内容について簡単に紹介します。

 ブルガリア語で家庭医はСемейн Лекар, またはОбщо практикуващ Лекарと言います。ロシア語と同じ文字が使われていて、慣れるまでは読みにくい言語ですが、英語で言うところのGeneral Practitionerに当たります。

 ブルガリアの家庭医が働いているのはДигностично Консултативен Център(略ДКЦ)。 英語ではDiagnostic Consultative Centerという訳になります。日本でいう診療所でしょうか。

 小規模なものなら家庭医が一人だけの診療所、大規模なものなら複数の家庭医、リハビリ施設なども含むものもあり診療所といっても様々です。診療所には、家庭医の他に毎日日替わりで専門医が訪問診断に来ます。月曜日は婦人科、火曜日は神経科というように、家庭医とは別に専門医も診療所にいることになっています。大規模な診療所であれば複数の専門医がいますので、日本の様にどの科に行けば良いか迷うことはありません。

 ブルガリアの家庭医を一言で表現すると『何でも屋さん』でしょうか。というのも家庭医の元に来るのは、お年寄りから、妊婦さん、子供まで幅広い年代です。仕事内容も健康診断から、持病の薬の処方、子供の診察、事故などの緊急時の対応など、幅広い知識と経験が必要な大変な仕事です。そのため、評判の良い先生の診療所の電話は一日中、鳴り止むことがありませんでした。

 ブルガリアで、家庭医になるためのプログラムは3年間。その3年間の間に、内科、外科、小児科、産婦人科etc…幅広い知識を身につけなければいけません。それでも詳しい検査が必要なときは、専門医への紹介状を書き、迅速に診断できるよう対応しなければなりません。

 ブルガリアの国民健康保険制度はまだまだ課題が多く、予算も北欧などに比べると十分ではありません。一人の家庭医の先生が、紹介状を書けるのは毎月30通までと限られています。そのため、幅広い知識と経験を最大限に活かした、最低限の検査での診察、治療することが求められています。今回の家庭医の先生の下での研修は、その国の地域医療に触れることができ大変貴重な経験ができました。

 イギリスやドイツとは違い、ブルガリアには残念ながら日本人の医師はいません。在留邦人の方にとっては不便な場所ですが、かかりつけの家庭医を持つことをお勧めします。まずはお住まいの地区で評判の良い診療所(ДКЦ)を訪ねてみてはいかがでしょうか。


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posted by JMAE at 03:30| ブルガリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月03日

マルタ島での卒後研修

初めまして!
地中海に浮かぶ小さな島国マルタから、医師のminです。
ドイツのsachi先生に続き、マルタでの就職情報をご紹介します。

ヨーロッパと一言で言っても、各国によって研修制度が異なりますよね。
マルタの場合、イギリスと同じく、新卒の医師は2年間の研修を積む必要があります。
Foundation Programmeと言って、日本で言うところの初期研修ですね!

3ヵ月ごとに様々な科に配属され、2年間で最大8つの科をローテーションします。
途中、頻繁にセミナーやトレーニング、アセスメント等があり、ランキングがつけられます。
このランキング、専門医研修をマルタで続ける場合、大きな判断基準となりますので、要注意です!
ちなみに配属先の希望や指導医の選択も、ランキング順で決まります。


マルタのFoundation Programmeの募集要項は、
1 EUの医学部卒業資格を持っていること
2 英語に堪能であること
他にも細かい規定はありますが、大まかにはこの2つです。

募集人員は100名。
そのうち70名前後はマルタ大学の卒業生です。

年度始めは7月ですので、前年の8月に応募がかかり、9月に書類締め切り、11月から12月にかけて面接があります。
面接では簡単なケーススタディが数題用意されています。
医学部最終試験の、口頭試問をイメージすると良いでしょう。
採用されると、7月から晴れて研修医生活がスタートします。

詳しくは、Malta Foundation Programmeまで。
http://fpmalta.com/


専門医研修を希望する場合や、既に医師として経験を積んでいる場合は、採用基準が異なりますので、また別の機会にお話します。


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posted by JMAE at 03:26| マルタ共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

ドイツでの就職活動の流れ

皆様、こんにちは。ドイツの医師Sachiです。
今日は就職活動(Bewerbung)について。

ドイツで就職活動をする場合、
応募書類の送付→面接に招待される→後日返事が来る
というかたちが一般的です。

応募書類は、
・志望動機などを書いた手紙(Anschreiben)
・写真付きの履歴書に各証明書のコピーをつけたもの

を専用ファイルにまとめて送ります。

写真はきちんとBewerbung用として写真屋さんで撮ってもらうのがいいでしょう。
コピー代もけちらずに上質なものにします。因みに新卒の時に私がつけたのは、医学部修了証書(Urkunde)、外国人用の限定医師免許(Berufserlaubnis)、国家試験の合格証書、実習(Famulatur)の証明書、日本の大学の卒業証書及び成績証明書でした。新卒でなければ、それまでの職場のボスに書いてもらう評価書(Zeugnis)が非常に重要になります。
これらは基本的に返却されるので、手紙以外は状態がよければ使い回しもできますし、
写真を貼り付ける用に「剥がせる接着剤」も売っています。
手紙は非常に重要ですから、決まり文句だけというのはお勧めしません。
これを丁寧にきちんと書くと、面接に招待される率がぐんと上がります。

応募書類に掛かった費用は税金控除の対象になりますから、
レシート類は全て取っておきましょう。
(但し、税金控除というのは、税金を納めた年に掛かった経費についてするものですから、例えば年末に就職活動をして1月から働き始めるような場合には、それはできません。)

医師に限らず一般に、面接に行くための交通費(及び必要な場合は宿泊費)は、面接に招待した側が負担する事になっています。
「交通費の負担はしません」と明記されている場合だけは例外ですが、
何も書かれていない場合は、後日電車の切符などを自分の銀行口座番号と共に送ると、相当金額が振り込まれます。

職業柄、面接にはスーツでなくとも構いませんが、きちんとした服装で。

志望動機やこれからのキャリアの計画を語れるのは勿論のこと、
質問されそうな事を予想して、それに対する自分の答えを作文して、話す練習をしておく事は大事だと思います。

待遇などについても、一応自分の希望を考えておきましょう。
給与についてはキャリアごとに妥当な金額(Tarif)が出ていますので、それを調べておきます。
契約については、最初の何箇月間かは試用期間(Probezeit;その期間は有給休暇は取れず、急に解雇される事もあり得る)になり、それが過ぎてから本採用、というかたちが一般的です。
本採用でも、最初は1−2年契約、その後で無期限契約、というのが多いと思います。

専門医になるまでの期間は特に、病院を移りながらキャリアを積む人が多い。ただ、専門医になるための規定は州によって異なる事があるため、専門医になる前はなるべく州を移らない方がいいでしょう。
また、病院によって「Weiterbildungsberechtigung/-befugnis/-ermaechtigung」などという、「特定の専門医になるための研修を許可された年数」というものがありますので、就職先を決めるうえで、それも重要なポイントになります。

あと、第一志望のところに面接に行く前に、
「どうでもいい」ところに面接に行っておく事を強く勧められました。

DUDENからBewerbungについてのガイドブックが出ていて、
私の場合はそれがとても役に立ちました。


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posted by JMAE at 07:49| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする