こんにちは。またまたドイツの医師Sachiです。
来週末にはマルタ島で当欧州日本人医師会の総会が開催されます。
日本人医師や医学生が全欧州から集まり、
話し合いや情報交換がされる年に一度の貴重な機会で、とても楽しみです。
私もドイツでの医師就職状況についてささやかなプレゼンテーションをする予定です。
閑話休題。
マルタ島はシチリア島の南にある
246平方キロの小さな島。
北のシチリアへは
81km、北西のチュニジアへは
285kmという近さ。
公用語は英語とマルタ語です。
マルタと言えば、マルタ騎士団。
折角マルタ島へ行くので、少し歴史について予習していました。
わかった事は、
マルタ騎士団の元は
聖ヨハネ騎士団。
ロードス島を根拠地にしていた聖ヨハネ騎士団が
1522年に
オスマン・トルコのスレイマン1世によって敗られ、根拠地をマルタ島に移してからマルタ騎士団と呼ばれるようになったそうです。
世は
大航海時代。
マゼラン一行が世界周航から帰着したのが
1522年で、
その
27年後に
ザビエルが日本へやって来ます。
さて、その聖ヨハネ騎士団ですが、
塩野七生の「ロードス島攻防記」によると、
9世紀の中頃、アマルフィの裕福な商人マウロが、エルサレムを訪れる西欧からの聖地巡礼者のために、
病院も兼ねた宿泊所をたてたのが始まりだそうで、
八つの尖角をもつ変形十字は、もとはアマルフィの紋章だったそうです。
それが
1099年第一次十字軍によるエルサレム征服の時からエルサレムの街の中心に進出し、
4年後に法王パスクワーレ2世から、
宗教と軍事と病人治療に奉仕する宗教団体として認可され、
「聖ヨハネ病院騎士団」と称されるようになります。
1130年に、法王インノチェンツォ2世から、赤字に白の十字架の軍旗を与えられ、
それまでの変形十字の紋章を非軍事用にしたとの事です。
ふむふむと読み、ネットでドイツ語でも調べていて、ふと気付きました。
え?聖ヨハネ修道会はJohanniter?この変形十字はもしや・・・?

はい、これです。
ドイツで現在も赤十字のような感じで、救急などの医療活動を行っている団体です。
私も教養部時代にこの団体の蘇生・応急処置コースを受けました。

Malteser(マルタ修道会)という団体もあります。
ヨーロッパに来ると、世界史の中で学んだ事が現代社会の生活にとけ込んでいる事によく驚かされますが、
そんな昔の騎士団(以前)の起源のものが、今も活動しているとは思いもよらず、
実は先述の「ロードス島攻防記」のエピローグでもその事に触れられているのですが、
全く気付いていませんでした。
因みに「ロードス島攻防記」のエピローグでは、
ロードス島を追い出された騎士団が
1530年にマルタ島に移住し、
湾に向かって突き出ている八つの半島全てを要塞化し、
1565年に攻めて来たトルコをラ・ヴァレッテ率いる騎士団が雪辱で敗り、
後にそこがが首都となり、彼の名から「ヴァレッタ」と呼ばれるようになる件も書かれています。
他にも、ネット検索してみたら、
マルタ島には
ユネスコ世界遺産にもなっている巨石神殿群があるとか、
(マルタの神殿群はピラミッドよりも古く、紀元前3800−2500年位らしい。ストーンヘンジは紀元前2500−2000年位。)
「青の洞門」と呼ばれる美しい洞窟があるとか、
西暦60年頃、
聖パウロが政治的反逆者としてローマへ連行される途上で船が難破してマルタ島に上陸し布教したとか、
70万匹に及ぶ人口の倍もの猫が生息し、競争に負けないため前足を使って餌を口に運ぶ特徴があるとか、
国内総生産に対する教育費がヨーロッパ内でトップクラスであるとか、
でも
識字率は92.8%でヨーロッパの中では低いとか、
国連によると
地上で最も水の少ない国であるとか、
ごみ焼却施設はなく、環境破壊や大気汚染も深刻な問題であるとか、
世界で5番目に人口密度が高い国家であるとか、
41万の人口に1万のボート難民がおり、その大半は単に人道的理由で受け入れられているとか、
オランダの学者に
「世界で一番幸せ度の高い国」に選ばれ、悪人はいないだとか、
サボテンの棘が夜になると引っ込んで実の収穫をするとか、
マルタ島が
マルチーズの発祥の地であるとか、
マルタには
毎日違う教会へ行っても1年分足りる位沢山の教会があるとか、
宗教的に妊娠中絶やトップレスでの遊泳は禁止されているとか、
2011年5月に国民投票で認められるまでは
離婚ができなかったとか、
本当か?というものも含め、色々と興味深い記述を見つけました。
観光できる時間があるかどうか判りませんが、楽しみです!
今は雨季で、天気が崩れると強い海風のために体感温度はぐっと下がるそうですが、
さっき見た天気予報では、土・日は晴れマークで21−22度となっていました
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