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2015年04月29日

マルタ島の循環器内科より

マルタ島で循環器内科にいるKenです。今日は初めてということもあってマルタ島での循環器内科について紹介したいと思います。

まずマルタについてですが、人口約40万人の小さな島です。かといって僻地かというとそうでもなくて、WHOの医療ランキングでは上位に入る程医療的にはシステムの整った国でもあります。近年ではmedical tourismにも力を入れ始めており、観光地というのと並行して国の違う一面を見せ始めております。
僕が何故マルタに住み始めたかとか何故循環器なのというのは今は置いておくとして今回は循環器内科がどうなっているのか出来る範囲で紹介したいと思います。 皆さんが想像される循環器医というのは例えばドラマの医龍などで紹介されている循環器外科のことだと思います。 でも実際は外科にかかるよりも多くの患者さんに僕たち内科医は係わっています。 もし患者さんが胸の痛み、動悸などを訴えた場合、初めにみるのが救急医を除いて循環器内科になります。 そこで僕たちはどの患者さんが心臓に問題があるかを判別して様々な検査をしていくことになります。そして最終的に外科的治療が必要と判断した場合、初めて外科にみていただくという流れになります。もちろんこれはマルタの場合で他の国では違ってくるかもしれません。

ここで僕の仕事について紹介します。
循環器内科といっても、様々な分野に別れていて最近ではそれぞれの専門に別れていく風潮にあります。カテーテルに特化した先生、心臓の電気的リズムの問題に特化した先生、循環器疾患の予防に特化した先生など一般に循環器内科といっても様々です。 僕はと言いますと、まだ専門医ではありませんので確かではありませんが、一般に検査中心のnon-invasiveと言われる分野を中心にやっています。 この分野の進歩はテクノロジーの進化によって最近物凄く、毎年の学会の度に新しい物がでてきます。その分、やり甲斐はあります。この分野が何故大事かというと、僕たちがやる検査によって大体治療方針が決まるからです。勿論例外はあります。 そういうことにやり甲斐を感じています。
僕の日常は病棟にいる患者さんを診ることから始まります。外来の患者さんを診て、その後心エコーなり心臓血管CT、更には心臓MRIなど検査項目は多岐にわたります。大変ですが、患者さんと直に関わることが多いです。
欧州でご活躍の医学生の皆さん、もし興味があれば是非マルタを訪れてくださいね。

P1100208.JPG
↑mater dei hospital


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posted by JMAE at 05:36| マルタ共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月14日

家庭医救急当直 その2

ドイツのKenjiです。

前回ローテクで家庭医救急当直をこなしていると書きましたが、今回は解答編。
その前にここでのシステムについて説明しましょう。
心筋梗塞、肺栓塞、脳出血などの、本当の救急は私達は扱いません。
患者さんないし家族がコールセンターに電話すると、そこで判断され、緊急の場合は直接救急医と救急車が呼ばれ、青ランプとサイレンで駆けつけます。そこから救急車かヘリコプターで患者を病院に運びます。

私達が呼ばれるのはそれ以外のケース。
多くの国では、救急外来に多くの患者が来て何時間待ちなのに、本当に治療が必要なのはごく一部だけ、というのが現状でしょう。所謂「風邪位で病院に来るな。」というやつです。だから我々がフィルターになって、簡単な治療は自分たちでして、病院は緊急の患者だけに専念出来るようにしているわけです。
これは優れたシステムだと思います。外来、往診で診る患者さんの内、病院での検査、治療が必要なのは一割もありませんから。

ですからこの当直で一番最初にするのは、自分で対処できるかどうかの判断です。
そのためにはまず患者さんの顔色、呼吸、話し方などを総合的に診る必要があります。家族の方に普段と比べてどうかと尋ねることも重要です。主訴、病歴、既往歴、手術歴、アレルギーなどを全ての患者さんに尋ねることは当然ですが、そうすれば、実際診察に入る前に大体の治療の予測はつきます。確定診断は多くの場合出来ませんが、週末ならば対処療法だけで、月曜日に主治医へ行きなさい、で片がつくことがほとんど。「今は大したことないけど、もっとひどくなったら病院に行きなさいね。」と言っておくこともよくあります。自分のための保険も兼ねて。ですから診察にハイテクを用いる必要はないのです。
それよりも自分の五感をフルに使うことです。そして、自分では対処できないと判断したら、救急車(救急医とかサイレンなしの)を呼んで、病院に運んで頂きます。一番多いのは、お年寄りで単純な風邪か、肺炎かわからないケースでしょう。

そんなわけで、産婦人科医でも家庭医救急当直は務まるとのお話でした。


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posted by JMAE at 07:20| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月10日

家庭医救急当直、その1

またドイツの片田舎よりKenjiです。
今日は産婦人科の医師が行う家庭医救急当直のお話。

ちなみに一般内科、小児科などの専門トレーニングは一切していません。医師免許取って以来産婦人科一筋です。こんな私がこの当直をするようになったのは、ひとえに人不足、と言うより内科、家庭医不足によるもの。
ここは大都市からは120kmほど離れた田舎で、開業医の年齢が毎年上昇しています。
若い医者は殆どが大都市志向で、田舎の開業医が後継者を見つけるのは至難の業。
当直も一週間毎晩続く激務ですので、ある一定の年齢になると免除されます。
だから毎年毎年該当者が少なくなり、以前は内科、小児科、外科、整形外科などの医者で回していたのですが、段々範囲が広がり、産婦人科も免れなくなってしまいました。
来年からは例外なしに全科の開業医が当直を相務める事となり、
「レントゲンなしでどうやって診断できるの?」(放射線科の医師)
「血液とか尿しか知らない。」(臨床検査医師)はまだ可愛い方ですが、
「生きてる人間診たことない。」(病理学医師)などになると悲鳴というか悲劇と言うか(笑)。

これを読んでいられる方々は、多分まだ若く、大学か、卒業して大病院に勤務していらっしゃるかでしょう。ということは、周りにハイテクの機械が揃い、それを駆使して診察されていることと思います。
ここの当直は全く逆のローテクで、往診に行く時に鞄の中に入っているのは聴診器と血圧計だけ
これで一体どうやって診察するのでしょうか。答えは次回に。


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posted by JMAE at 07:12| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする