欧州日本人医師会の青年会員は現在24名。ヨーロッパの医大生や卒業生が、各国の医療・大学・就職情報などを交換したり、サポートし合ったり。

2019年12月28日

<日本と英国の違い>

はじめまして。イギリスでジュニアドクター(一般外科)として働いておりますRです。

まだまだ在英時間は短いのですが、日本での初期研修を終えてからの渡英を選択したので良い意味でも悪い意味でも、色々日本と比べてしまいます。


せっかくですのでいくつか列挙してみたいと思います。

例えばオペ場にて、


@ オペ場の手前の「anaesthetic room」にて麻酔は施行、麻酔施行後オペ場までの4メートルほどの移動はたとえ全マでもモニターも酸素も一切ナシ

A 麻酔科医の先生方は5分毎にバイタルを手書き

B みんなマスク着用ナシ

C 実は清潔ガウンだってリユース

D 日本と比べるとドレープの枚数が異常に少ない

E 水道も、蛇口をひねって水を出しましょう

F オペ場の中でもコーヒー・ティーは持ち込み自由です


などなど。。

逆に病棟業務での違いといえば


@ 患者さんの主治医は必ず、入院時にオンコールだったコンサルタント。ジュニアドクターの「受け持ち患者」等はありません

A 時間シフトがきっちり決まっているので、基本残業はありません(残業になってしまっても基本タダ働きになります)

B 「phlebotomist」が病棟を平日は2回巡回して採血をしてくれます。看護師さんでも採血が出来ないことが多いです

C ベッド調整が頻繁に行われるので、朝みた患者さんが午後には別病棟に移動になっていることも多々あります

D 医師間の連絡は、基本ポケベル。けたたましく鳴り響くポケベルの音は悪夢にみます

E CT等スキャンをオーダーしても、放射線科のドクターが不要とみなせばキャンセルされてしまいます。オーダー理由はキッチリ書きましょう。。

F 肝生検、経皮的腎瘻造設、胆嚢瘻など、「つきにいく」手技は放射線科が担うものが多いです


あげ出せば切りがないですね。

国による違い、医療制度の違い、文化の違い、様々あり、日々学ばされます。

今後も色々と紹介できればと思います。

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posted by JMAE at 17:58| イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月19日

メルマガ第1回 ドイツの病院のクリスマス

皆さま、こんにちは。
2年前に掲載して頂いたメールマガジンの記事をご紹介します!
(ブログ転載許可は得てあります。)


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今号からスタートした新連載!お届けするのは、ヨーロッパで活動する欧州日本人医師会青年部所属のドクター&医学生。日々の生活や現地での医療についてリレー形式でつづります。全10回、お楽しみに!


第1回 ドイツの病院のクリスマス 【2017年12月19日発行 Vol.26】

欧州日本人医師会青年部から、はじめまして!ドイツで家庭医をしているSachiです。 年の瀬が迫り、皆様も慌しさ半分、楽しみ半分といったところでしょうか。

ドイツでは、クリスマスは家族で静かに祝い、年越しは友達と賑やかにパーティーしてカウントダウンというパターンが多いです。 クリスマスには学生も実家に帰ってしまうので、学生寮に残っているのは外国人くらいなもの。ゴーストタウンみたいになってしまいます。

祝日はクリスマスの12月25・26日と元旦の1月1日(州によっては1月6日も)だけなのですが、学校や大学は大体、クリスマスイブから1月6日までの2週間が冬休みになります。 さて、病院はどうするかと言うと、12月24日から30日のクリスマス勤務チームと、31日から1月6日の新年勤務チームに分けて、誰もがどちらか1週間は休めるようにして、医者も看護師も普段の半分位の人数で働く事が多いです。 クリスマスや新年は、入院中の患者さんも一時帰宅したがりますし、手術など計画的な入院の数も減りますので、入院患者数がぐっと少なくなり、それでも何とか回せるのです。

さて、クリスマスと新年、どちらの勤務に人気があるでしょう? 勤務が大変なのは新年です。年越しパーティーでお酒を飲んで転倒したり花火で怪我をしたりと、救急外来は大忙し。入院患者さん達も落ち着かないし、花火や爆竹の音で眠れなかったりして、夜勤当直も大変です。

クリスマスの方がずっと静かで勤務は楽なのですが、クリスマスはやっぱり家族揃って祝いたい大事な日なので、迷うところですね。

普通の人が休んでいる時にも働かなくてはいけない仕事ですが、そういう時でも家に帰れない患者さん達の心が少しでも慰められるよう、皆がんばっています。

皆様も、どうぞ楽しい年末年始を!


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市役所の前のクリスマスツリー。勿論本物の木です。


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病院の中のクリスマスツリー。これも本物の木。当直の夜に撮影しました。



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posted by JMAE at 10:49| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月02日

ヨーロッパで緩和ケア医を志す

初めまして、スロバキアのコシツェにある医学部に在学しているてつ太郎です。

コシツェはスロバキア第2の都市と言われ、ウクライナやハンガリー寄りに位置しています。


今回は初めてのブログになりますので自己紹介をさせてください!


私は東京の団地育ち。

実家は裕福ではないので自分でお金を貯め、奨学金を借り、スロバキアの医学部に進学しました。

日本の予備校に通ったこともあったのですが、元々アメリカのcollegeを卒業ということもあり、周りに馴染めず3ヶ月で逃げ出したという過去もあります(笑)

進学前は投資家(主にコモディティと外国為替)をしていて、たまたま投資で当たって資金に目途がつきスロバキアの医学部に進学を決めました。

人生は何があるか分からないものです。



スロバキアは東欧で、1989年まで社会主義の国でした。
社会主義時代の名残で現在も日本の団地のような建物が数多く存在しています。

スロバキア団地.jpg

◆写真は近所の旧社会主義の団地◆
な色の塗装が特徴的


現地のスロバキア人から言わせるとこの様な建物は

「社会主義時代の名残だ!」
「見るのも嫌だ」
「住みたくない」

なんて声も多数。


ですが私は団地育ちということもあり、現在住んでいる旧社会主義の名残が色濃く残っているこの住まいをこよなく愛しています。


さて本題に入りますが、私はヨーロッパで医師になり、北欧、ノルウェーで緩和ケア医を志しています。

趣味も兼ねて勉強の傍ら、ヨーロッパの緩和医や大学教授などにコンタクトを取り、緩和ケア病棟やホスピスを訪問しています。

ホスピス.jpg

◆写真は中欧で、ポーランドの最初のホスピス(ポズナム市)◆


日本人で最も世界中のホスピス、緩和ケア病棟を訪問し、世界中の緩和ケアや文化に精通して様々なことを学びたいと考えているからです。


「ヨーロッパで緩和ケアを学ぶとはどういう事?」と思う方もいると思います。


緩和ケアは英語で “palliative care”

“palliative”はラテン語で“pallatius”という語源から来ており、意味は「覆いかぶせる」などの意味。

17世紀のフランスで “palliative” 「被せる、覆う」という意味から「寒さからの緩和」となり、この事からフランス語で「緩和」という意味を持つようになり、英語で “palliative” というようになりました。


治療は大きく分けると2つあり、1つ目は医学部で学ぶ治療、英語で表すと “cure”、つまり病気を治す医療が主になります。

多くの医師を志す人は病の根治、つまり病を根本から治すこと(cure)を志す人が大半なのかもしれません。

私は病を治すではなく、治せない病の向き合い方や病と共に生きることを学びたいと考えております。

これが2つ目の治療、英語で表すと“care”、つまり病気を治すというよりも、病気による心身の痛みを取り除くことが目的となります。


医学の進歩は日進月歩で、今まで治せなかった様々な病気を治せるようになりました。

そして、日本の医療は世界の最先端といっても過言ではありません。

ですが現代医学の限界もあり、「病気を治せないのなら、せめて痛みだけは取り除こう」というものが緩和ケアの基本方針になります。


医学では肉体的な痛みに対しては痛み止めなどを、精神的な痛みに対しては抗うつ剤やカウンセリングなどの治療方法を選択します。

ケアの領域でも方法は多岐にわたり、経済的・社会的支援、アロマテラピーや心理的療法によるアプローチでどうすれば心が満たされるのか、患者本人・家族の病気の受け止め方などをケアしていきます。


例えばお母さんの「痛いの痛いの飛んでけ!」

学問的な見方をすると、実際に一時的ですが痛みの軽減になります。


よく「人に優しくしましょう」という言葉を聞きます。

言うのは簡単、実際に行うのは難しいことですが、苦しいとき、辛いときに声をかけてもらえるだけでも肉体の痛みと心の痛みはほんの少しだけ軽くなります。


先ほども書きましたが日本は世界有数の医療大国。

国民の平均寿命は世界1位!

世界1位の長寿国です。

そんな医療先進国の日本でもまだまだ他国から学べることがあります。

その一つが心のケア。


今はまだ治せない病気でも体と心の痛みを取り除き、そして、寄り添うことで人生を豊かなものへ導く。

宗教でもなく、スピリチュアルでもなく、医学を通し、上記の分野を学問に昇華させ、その知識を社会に還元し、より豊かな日本社会の実現へ少しでも尽力できたらと考えております。


また、個人で日本人の方へ向けて欧州のがん治療や、国によって違うがんや慢性疾患との向き合い方なども各地の腫瘍内科を中心に訪問し、情報発信していこうと考えています。



◆個人のブログのリンクになりますがこちらも訪問していただけると幸いです◆

ブログ→ https://medeu.blog.fc2.com/
Twitter→ https://twitter.com/serotonin_nin


以上

てつ太郎でした(◉︎ɷ◉︎ )
posted by てつ太郎 at 20:37| スロバキア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする