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2014年09月30日

ドイツで気を付けるべき「食べ合わせ」など

こんにちは。ドイツの医師Sachiです。
今日は患者さんによっては注意しなければならない食べ物などについて。

■Johanniskraut(Hypericum perforatum;セイヨウオトギリソウ)
シトクロームP450酵素のCYP3A4を誘導するため、他の薬の効果を抑える事があります。よく例に挙げられるのは、ピルを飲んでいるのに妊娠してしまうというケース。
Johanniskrautはドイツでは軽い鬱の時に非常によく処方されますし、低用量ならドラッグストアでサプリメントと同じように買う事ができ、常用薬のリストの中に入れない人が結構いるので、注意が必要です。

■グレープフルーツジュース
これは、Johanniskrautと全く逆にシトクロームP450酵素のCYP3A4を阻害するため、他の薬の効果を高める事があります。「よく効けばいい」という単純なものではなく、過ぎたるは及ばざるが如し。薬の効き過ぎは害になります。グレープフルーツジュースを大量にがぶ飲みするのはやめましょう。

■Lakritze (Glycyrrhiza glabra;スペインカンゾウ、リコリス) 
血中カリウム濃度を下げたり、便秘気味にしたりします。これも好きな人は驚く程大量に食べるので、注意が必要です。

■納豆
日本でワルファリン(Warfarin;ヨーロッパではWarfarinではなくPhenprocoumonが主流)を飲んでいる患者さんには「納豆に注意」というのは常識でしょうが、ヨーロッパ人は知らない事が多い。納豆にはビタミンKが多く含まれているうえ、納豆菌が腸内でビタミンKの産生を続けるそうで、Phenprocoumonの効き目を抑えてしまいます。
普通、こういう薬を飲んでいる患者さんは「何を食べてもよいか」をしっかり教えられていて、自分で食べる物を選んでいるものですが、納豆を出す場合は言ってあげると親切です。

■昆布
昆布には、乾燥重量100gあたり100-300mgのヨウ素が含有されており、海産物の摂取による日本人のヨウ素摂取量の平均は1日に1−2mgだとか。
ドイツでヨウ素不足の人に処方するのが1日100μgとかですから、桁違いの分量です。(因みに乾燥重量100gあたりのヨウ素含有量は、ワカメが7-24mg、ひじきが20-60mgで、昆布がダントツです。)
従って、ヨーロッパ内陸部(つまりヨウ素の摂取量が少ない地域)で甲状腺機能に異常のある人に和食を作ってあげる場合、ちょっと注意が必要でしょう。

■テーブルビート
沢山食べると尿が赤くなる事があり、まるで血尿のように見えます。これは無害なので、慌てないよう。


「なあんだ、当たり前の事ばかり!」と思われるかも知れませんが、
これも「ところかわれば」なので、もしかしたら知らない人もいるかも、と、
集めてみました。


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posted by JMAE at 06:39| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする