欧州日本人医師会の青年会員は現在24名。ヨーロッパの医大生や卒業生が、各国の医療・大学・就職情報などを交換したり、サポートし合ったり。

2015年04月14日

家庭医救急当直 その2

ドイツのKenjiです。

前回ローテクで家庭医救急当直をこなしていると書きましたが、今回は解答編。
その前にここでのシステムについて説明しましょう。
心筋梗塞、肺栓塞、脳出血などの、本当の救急は私達は扱いません。
患者さんないし家族がコールセンターに電話すると、そこで判断され、緊急の場合は直接救急医と救急車が呼ばれ、青ランプとサイレンで駆けつけます。そこから救急車かヘリコプターで患者を病院に運びます。

私達が呼ばれるのはそれ以外のケース。
多くの国では、救急外来に多くの患者が来て何時間待ちなのに、本当に治療が必要なのはごく一部だけ、というのが現状でしょう。所謂「風邪位で病院に来るな。」というやつです。だから我々がフィルターになって、簡単な治療は自分たちでして、病院は緊急の患者だけに専念出来るようにしているわけです。
これは優れたシステムだと思います。外来、往診で診る患者さんの内、病院での検査、治療が必要なのは一割もありませんから。

ですからこの当直で一番最初にするのは、自分で対処できるかどうかの判断です。
そのためにはまず患者さんの顔色、呼吸、話し方などを総合的に診る必要があります。家族の方に普段と比べてどうかと尋ねることも重要です。主訴、病歴、既往歴、手術歴、アレルギーなどを全ての患者さんに尋ねることは当然ですが、そうすれば、実際診察に入る前に大体の治療の予測はつきます。確定診断は多くの場合出来ませんが、週末ならば対処療法だけで、月曜日に主治医へ行きなさい、で片がつくことがほとんど。「今は大したことないけど、もっとひどくなったら病院に行きなさいね。」と言っておくこともよくあります。自分のための保険も兼ねて。ですから診察にハイテクを用いる必要はないのです。
それよりも自分の五感をフルに使うことです。そして、自分では対処できないと判断したら、救急車(救急医とかサイレンなしの)を呼んで、病院に運んで頂きます。一番多いのは、お年寄りで単純な風邪か、肺炎かわからないケースでしょう。

そんなわけで、産婦人科医でも家庭医救急当直は務まるとのお話でした。


↓ランキングに参加しています。クリックお願いします!
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ 

欧州日本人医師会では、ヨーロッパの日本人医師ネットワークを共に発展させていきたいという熱意ある会員を募集しています!お問い合わせは事務局まで。
posted by JMAE at 07:20| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする