欧州日本人医師会の青年会員は現在24名。ヨーロッパの医大生や卒業生が、各国の医療・大学・就職情報などを交換したり、サポートし合ったり。

2019年12月02日

ヨーロッパで緩和ケア医を志す

初めまして、スロバキアのコシツェにある医学部に在学しているてつ太郎です。

コシツェはスロバキア第2の都市と言われ、ウクライナやハンガリー寄りに位置しています。


今回は初めてのブログになりますので自己紹介をさせてください!


私は東京の団地育ち。

実家は裕福ではないので自分でお金を貯め、奨学金を借り、スロバキアの医学部に進学しました。

日本の予備校に通ったこともあったのですが、元々アメリカのcollegeを卒業ということもあり、周りに馴染めず3ヶ月で逃げ出したという過去もあります(笑)

進学前は投資家(主にコモディティと外国為替)をしていて、たまたま投資で当たって資金に目途がつきスロバキアの医学部に進学を決めました。

人生は何があるか分からないものです。



スロバキアは東欧で、1989年まで社会主義の国でした。
社会主義時代の名残で現在も日本の団地のような建物が数多く存在しています。

スロバキア団地.jpg

◆写真は近所の旧社会主義の団地◆
な色の塗装が特徴的


現地のスロバキア人から言わせるとこの様な建物は

「社会主義時代の名残だ!」
「見るのも嫌だ」
「住みたくない」

なんて声も多数。


ですが私は団地育ちということもあり、現在住んでいる旧社会主義の名残が色濃く残っているこの住まいをこよなく愛しています。


さて本題に入りますが、私はヨーロッパで医師になり、北欧、ノルウェーで緩和ケア医を志しています。

趣味も兼ねて勉強の傍ら、ヨーロッパの緩和医や大学教授などにコンタクトを取り、緩和ケア病棟やホスピスを訪問しています。

ホスピス.jpg

◆写真は中欧で、ポーランドの最初のホスピス(ポズナム市)◆


日本人で最も世界中のホスピス、緩和ケア病棟を訪問し、世界中の緩和ケアや文化に精通して様々なことを学びたいと考えているからです。


「ヨーロッパで緩和ケアを学ぶとはどういう事?」と思う方もいると思います。


緩和ケアは英語で “palliative care”

“palliative”はラテン語で“pallatius”という語源から来ており、意味は「覆いかぶせる」などの意味。

17世紀のフランスで “palliative” 「被せる、覆う」という意味から「寒さからの緩和」となり、この事からフランス語で「緩和」という意味を持つようになり、英語で “palliative” というようになりました。


治療は大きく分けると2つあり、1つ目は医学部で学ぶ治療、英語で表すと “cure”、つまり病気を治す医療が主になります。

多くの医師を志す人は病の根治、つまり病を根本から治すこと(cure)を志す人が大半なのかもしれません。

私は病を治すではなく、治せない病の向き合い方や病と共に生きることを学びたいと考えております。

これが2つ目の治療、英語で表すと“care”、つまり病気を治すというよりも、病気による心身の痛みを取り除くことが目的となります。


医学の進歩は日進月歩で、今まで治せなかった様々な病気を治せるようになりました。

そして、日本の医療は世界の最先端といっても過言ではありません。

ですが現代医学の限界もあり、「病気を治せないのなら、せめて痛みだけは取り除こう」というものが緩和ケアの基本方針になります。


医学では肉体的な痛みに対しては痛み止めなどを、精神的な痛みに対しては抗うつ剤やカウンセリングなどの治療方法を選択します。

ケアの領域でも方法は多岐にわたり、経済的・社会的支援、アロマテラピーや心理的療法によるアプローチでどうすれば心が満たされるのか、患者本人・家族の病気の受け止め方などをケアしていきます。


例えばお母さんの「痛いの痛いの飛んでけ!」

学問的な見方をすると、実際に一時的ですが痛みの軽減になります。


よく「人に優しくしましょう」という言葉を聞きます。

言うのは簡単、実際に行うのは難しいことですが、苦しいとき、辛いときに声をかけてもらえるだけでも肉体の痛みと心の痛みはほんの少しだけ軽くなります。


先ほども書きましたが日本は世界有数の医療大国。

国民の平均寿命は世界1位!

世界1位の長寿国です。

そんな医療先進国の日本でもまだまだ他国から学べることがあります。

その一つが心のケア。


今はまだ治せない病気でも体と心の痛みを取り除き、そして、寄り添うことで人生を豊かなものへ導く。

宗教でもなく、スピリチュアルでもなく、医学を通し、上記の分野を学問に昇華させ、その知識を社会に還元し、より豊かな日本社会の実現へ少しでも尽力できたらと考えております。


また、個人で日本人の方へ向けて欧州のがん治療や、国によって違うがんや慢性疾患との向き合い方なども各地の腫瘍内科を中心に訪問し、情報発信していこうと考えています。



◆個人のブログのリンクになりますがこちらも訪問していただけると幸いです◆

ブログ→ https://medeu.blog.fc2.com/
Twitter→ https://twitter.com/serotonin_nin


以上

てつ太郎でした(◉︎ɷ◉︎ )
posted by てつ太郎 at 20:37| スロバキア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする