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2020年05月16日

コロナウイルス情報 ドイツ・大学病院編

ドイツで少しずつ感染者集が増え始めたのは2月末。周囲の危機感はまだかなり薄い状態でした。この頃1週間ほど日本へ帰りましたが、日本の方が状況は悪いのではないかと私はこの時思っていました。

3月に入ると感染者数は増え始め、自主的にマスクや手袋を着用する人もちらほら。ヨーロッパではまずマスクをする習慣がないので、皆さんつけ方が間違っているうえにマスクを頻繁に触ります。手袋をした手であちこち触った後に、そのまま煙草を吸っている人や携帯を耳にあてて話している人も見かけました。

3月中旬になると移動・外出・お店の営業制限等を始め、2週間でどれくらい結果がでるのかという気持ちでした。ここからひたすら感染者数が増え続けます。最初のうちはレストランなど必要だとされ営業が許可されていましたが、途中からはそれも禁止になりました。電車はガラガラで、天気が悪かったこともあって外出制限は最初の頃はよく守られていたと思います。集中治療室(ICU)を担当していた私は、この頃からコロナウイルス専門の感染症病棟(HDU:High Dependency Unit)の担当になります。家族からは心配されましたが、ドイツでは早い段階で病院の体制が整い、毎日安心して仕事に行くことができました。

3月下旬にはまだまだ病院では余力がある状態で、患者数はこのあたりがピークだったように思います。もし次の波が来なければの話ですが、、欧州では当初イタリアの医療崩壊が報じられていましたが、徐々にスペイン、フランス、オランダと状況は悪化。ICUのベッド数が足りなくなった隣国からドイツ各地で受け入れが始まります。欧州だからこそ出来る事だと思うし、つい先日も嬉しそうに母国に転院・退院していく患者さんの姿を見て、私も嬉しくなりました。

4月になると症状の改善された患者さん達が徐々にICUからHDU、そして一般病棟やリハビリ病院へと転送されるケースや退院する人も増えました。現在は入院患者数がだいぶ減ってきたので、私は来週からICU担当に戻ることになりました。治療に当たるスタッフ全員が毎週PCR検査を受けるのですが、今のところ陽性は出ていないそうです。私の病院では一人目の患者が入院する前から防護服の着脱指導がスタッフ全員に対して行われたので、それも功を奏したのではないかと思います。

この2ヶ月間、何より毎日変わる院内のシステムと記録しなければならない情報の量、それに加え研究やミーティング、院内だけでなく近隣病院からの問い合わせ、ものすごい頻度で鳴る電話の対応にやや疲れましたが、とても良い経験になりました。

今は規制も徐々に緩和され、外出する人も多く見られますが、お店に入る時や電車に乗る際にはマスク着用が義務づけられています。まだまだ安心はできませんが、また普通に生活出来る日もきっと近いはずです。


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posted by JMAE at 03:12| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする