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2015年07月15日

開業家庭医院より

皆様、こんにちは。
ドイツの医師Sachiです。

今月から開業家庭医の個人医院での勤務を始めました。

大学で初めて診察術を学び、でも最近の大病院では普通の診察は余り重視されず、
実習で聴診して「何かおかしい・・・」と思って病棟医師に報告しても、
「どうせレントゲン撮るから」「心エコーするから」
などと言われて相手にされず、がっかりした経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。
「胸部の打診?今どき誰もしないって」とか。

当院には胸腺腫(Thymom;Thymoma)の患者さんがいます。
かなり珍しい病気で、開業して25年の院長でも2例目だとか。
どうやって見つけたのか話しを聞いて、びっくり。
「日常的な動作で息があがるようになって来院されたんだけど、
心拍数が増加していて、心音が弱く、
胸部を打診したら、心臓が拡大していた。
これはいかんと胸部レントゲンにまわしたら、見つかった」
ハイテク機器がなくてもここまで診断できるのか!と、ちょっと衝撃でした。

「胸腺腫の後で気を付けなければいけないのは何か知っている?
これ、心エコーにまわした先の内科医も知らなくて教えてあげたんだけど、
重症筋無力症(Myasthenia Gravis)だよ。」

所謂「風邪」で来院した患者さんも、
必ず心臓と肺の聴診をし、扁桃腺と鼓膜を見て、リンパ節を探る。
そんな院長のもとでの勤務は、とっても勉強になります!

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2015年06月02日

ドイツでの就職活動:滞在許可について

皆さん。こんにちは。ブルガリア医学部卒業生のSoulです。

ドイツでの就職も無事に決まってようやく医師としてのキャリアを始めることができ、不安と期待が入り混じっています。

現在、東欧を中心に留学中の医学生の中にはドイツでの就職を考えたことがある人がおられると思います。
前回のSachi先生に続き、ドイツでの就職活動についてこれから少しずつ紹介していきたいと思います。今日は就職活動の第一歩として、ドイツでの滞在許可について少し触れたいと思います。

前回Sachi先生が紹介して下さったように、ドイツでは決まった時期に応募するのではありません。医師就職サイトを見て、研修医を募集している病院に自分で応募する方法をとります。(詳しくは前回のSachi先生の記事を参照下さい)

原則としてEU圏外出身の日本人は長期滞在ビザなしで滞在できるのは90日間です。その90日間の間に病院に応募し、面接を受け、全ての書類手続きを終えるのはよっぽどの事がない限り不可能だと思います。そこで長期滞在ビザの取得が就職活動の第一歩となります。

EUの永住権をもっている方は別として、持っていない方がドイツに90日間以上滞在するには、まずは語学ビザで最大一年間の滞在許可の取得が得策だと思います。

ゲーテインスティテュート、Volkshochschuleなどの語学学校に三ヶ月以上通うのであれば、日本人はドイツに渡航してから語学研修生として、長期滞在ビザを申請することができます。語学学校に通ったあとにも、就職活動に必要な期間を考慮する必要があります。ですのでしっかり計画を立てて移民局でできる限り長い期間の滞在許可を申請するのが良いでしょう。たった三ヶ月だけ語学学校に通う場合であっても最大一年分の滞在許可を申請することが出来ますので、そこは安心してください。

私の場合は外国人医師のトレーニングプログラムに応募して、語学研修生として滞在許可を得て就職活動の時間を得ることができました。時間的に余裕を持つことで、就職活動にも集中できることが出来ますので、語学研修生として渡欧するのが現時点ではベストだと思います。

とはいえ、滞在許可に関するトラブルは付き物ですので、語学学校を選ぶ場合にも日本人の受け入れの実績がある語学学校に問い合わせてしっかりとしたサポートを受けられそうな機関を選ぶことをお勧めします。私の場合、日本人の受け入れの実績がなかったため、残念ながら滞在許可取得のためのサポートは十分ではありませんでしたので、トラブルもあり苦労しました。

それでも滞在許可が出れば、とりあえずは一安心。そこからドイツ語検定取得など就職に必要な手続きに集中できる環境が整います。これで就職活動の第一歩を踏み出せるのです。

少しわかりづらい説明になりましたが、滞在許可取得について軽く紹介させて頂きました。次回以降も少しづつ就職活動のプロセスを紹介していければと思います。

ではでは、今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。

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2015年05月19日

ドイツで就職活動

皆さん、こんにちは。ドイツの医師Sachiです。
今日はドイツでの新卒の就職活動について。

■求人情報
病院の求人情報は、ドイツ医師会誌(Deutsches Aerzteblatt)の求人欄を見るのが一番です。
http://www.aerzteblatt.de/aerztestellen/angebote

もう一つ、大手サイト。
https://www.kliniken.de/

ドイツでは専門医になるためのプログラムをこなすために病院を移らなくてはならない事もよくあり、そうでなくとも経験を積むために違う規模の病院に移る事もあり、専門医になる前の医師が職場を替わる事はごく普通です。つまり、病院が求人する機会は結構多いです。

■志望書類の提出
志望動機書、履歴書(写真、署名付き)、各証明書のコピーを「Bewerbungsmappe」と呼ばれるファイルで一冊にまとめ、郵送します。
写真は普通の証明写真ではなく、写真屋さんで「就職活動用」と言って撮って貰います。
コピーは普通のでいいのですが、印刷や紙の質には気を付けます。
また、バラバラのままで送らず、必ずファイルに綴じます。
これらの費用は税金控除の対象になり、一部(3割くらい?)は返ってきますから、切手代も含め領収書は全て取って置くこと。但し、控除できるのは税金を納めた年にかかった費用についてですから、「年末に就職活動をして、年明けから働き始める」というのだと、税金控除に入れられません。

メールにて応募する場合は、添付画像をPDFやZIPなどで一まとめにし、受け取り側のダウンロードの手間が掛からないように配慮します。

■面接
面接に招待されたら、面接に行く旅費は、「当方では負担しません」と明記されていない限り、全額招待側の負担となります。面接後に電車の切符などを郵送して請求します。

面接で質問される内容を想像し、
頭の中で答えを考えておくだけでなく、
必ず口頭で答える練習をしておきます。
できればそれを動画撮影して、自分で見ておくと、反省点がよく判ります。
また、本命のところに面接に行く前に、幾つか面接を受けておく事をお薦めします。

■その他
就職活動についてはDUDENからマニュアル本が出ています。
志望動機書の書き方から、面接費用の請求方法まで載っており、非常に役に立ちます。
「Duden Ratgeber - Professionelles Bewerben: Von der Stellensuche bis zum erfolgreichen Vorstellungsgespräch」
(勿論この本の代金も、税金控除の対象にできます。)

給料については、「Marburger Bund」という医師の労働組合のようなものがあり、
そこが「Tarif」と呼ばれる基準を出していますので、それを参考にします。
https://www.marburger-bund.de/

基本的には、最初の3−6箇月間は試用期間(Probezeit)、次に1−2年の期限付き契約(Befristeter Vertrag)、その後無期限契約(Unbefristeter Vertrag)となるのが一般的です。妊娠・出産を考えている方は、無期限契約になってからが断然保証がしっかりしています。

■就職後の計画も考えておくこと
卒業してから専門医を取得するまでに、こなさなければならないプログラムがあります。
州の医師会のホームページから「Logbuch」というものを自分でダウンロードし、自分がこなさなければならないものをチェックし、働き始めてからそれぞれの件数を自分でカウントしていき、1年に1度医局長(Chefarzt)にそれを報告し、Logbuchに書き込んで署名してもらいます。あと、職場や医局長が替わる時には、「Zeugnis」という勤務についての評価書を書いてもらいます。
これらは基本的に自分でオーガナイズしなければならず、これがないと専門医にはなれませんので、決して忘れないように。

もう一つ大事なのが、病院の「Weiterbildungsermaechtigung」と呼ばれるもので、病院の規模や設備により、何年分までプログラムにカウントされるかの認可があります。
例えば病院の内科で6年の勤務が必要なのに、その病院が3年分しか認可を得ていなければ、3年後には職場を替わらなければなりません(勿論そのまま勤務してもいいのですが、それでは専門医が取得できません)。
職場を替わるとまた試用期間からやり直しですから、その辺も考慮に入れて、最初に就職する病院を決めた方がいいでしょう。

これらのプログラムは州によって異なる事もあり、専門医になる前に州境を越えて職場替えすると、今迄にこなした分が認められない場合もあります。専門医になる迄は極力一つの州に留まる事をお薦めします。

■外国で医師になってからドイツで就職したい場合
外国の医師がドイツに来る場合、ドイツ語力はまだB2でもよい州もありますが、近い将来には全ドイツでC1が必要になる事が予想されます。
ドイツでは、全ての臨床実習を在学中に済ませ、医師免許を手にしたらすぐに一人前の医師として働きます。就職した初日から普通に担当病棟を割り当てられる事も珍しくありません。つまり、初日から戦力になる人しか採用してもらえないと思っていた方がいいでしょう。
それだと心配な場合は、「Hospitation」と言って見習い期間を設ける事も可能です。これは無給で、食事と寮はただで提供されるというのが従来のやり方でした。無給ですが多少は戦力になるため、病院側は喜んでやらせてくれますし、書類が整う迄の期間をそれで過ごす例もままありました。ところが最近ドイツで最低賃金法が成立し、任意の実習も全て最低時給の保証が義務付けられ、厳しい罰則もできたため、今後は難しくなるかも知れません。
(↓詳しく知りたければ、こちらの212ページ参照)
http://www.aerztekammer-bw.de/aerzteblatt/aebw-archiv/2015/Aerzteblatt_Baden-Wuerttemberg_04-2015.pdf

また最近、外国人医師のための、ドイツ語、医学用語、社会福祉制度、内科、外科、薬学、読図・放射線防護、救急、衛生、法律、問診と記録、などを学ぶ準備コースができてきました。
語学だけでなく、国が違えば法律や保険制度も違いますから、「ドイツのやり方」を教えてもらえるようです。

こちら必読!!!
Marburger Bundの「FAQ – Frequently asked questions by foreign physicians」
必要書類の問い合わせ先や準備コースなどのリンクもありますから、隅々まで熟読したら大体の事はわかります。
ドイツ語:https://www.marburger-bund.de/projekte/auslaendische-aerzte-foreign-physicians/deutsch
英語:https://www.marburger-bund.de/projekte/auslaendische-aerzte-foreign-physicians/english

「外国の医大卒→ドイツで就職」については、今度、Soulさんが書いてくれます。お楽しみに!

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2015年05月10日

ドイツ:ニュルンベルクより

ブルガリア医学部卒業生Soulです。ドイツに引っ越してきて3ヶ月、今はドイツのニュルンベルクという街に住んでいます。

ドイツに来てからは医学用語の習得、ドイツ語検定試験、面接と毎日気が抜けない日々が続いていました。その甲斐あって就職活動も無事に終わりほっとしています。

忙しさのあまりつい先日まで市内観光に出ることがほとんどできませんでしたが、念願の市内観光にようやくでることが出来ました♪ニュルンベルクと言うと、クリスマスマーケットが有名ですが、実は年間を通じて様々なイベントが催されています。

今日は先週催されたBlaue Nacht(Blue Night)と言うイベントについて軽く紹介します。その名の通り、街全体が青でライトアップされいつものアンティーク調の旧市街がその日だけは幻想的な光に包まれます。

Nurnberg Stadt.jpg
いつもの旧市街が

Nurnberg Blaue Nacht Keisersburg.jpg
こんな感じに!!

驚いたのが市内にある博物館や観光名所全てがその夜だけは、夜中までやっているということ。この機会に回れるだけ回ってニュルンベルクの街を堪能できました♪

ようやく住み慣れてきたニュルンベルクも今月で最後、来月からは念願のリハビリ病院での勤務が始まります。

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2015年04月14日

家庭医救急当直 その2

ドイツのKenjiです。

前回ローテクで家庭医救急当直をこなしていると書きましたが、今回は解答編。
その前にここでのシステムについて説明しましょう。
心筋梗塞、肺栓塞、脳出血などの、本当の救急は私達は扱いません。
患者さんないし家族がコールセンターに電話すると、そこで判断され、緊急の場合は直接救急医と救急車が呼ばれ、青ランプとサイレンで駆けつけます。そこから救急車かヘリコプターで患者を病院に運びます。

私達が呼ばれるのはそれ以外のケース。
多くの国では、救急外来に多くの患者が来て何時間待ちなのに、本当に治療が必要なのはごく一部だけ、というのが現状でしょう。所謂「風邪位で病院に来るな。」というやつです。だから我々がフィルターになって、簡単な治療は自分たちでして、病院は緊急の患者だけに専念出来るようにしているわけです。
これは優れたシステムだと思います。外来、往診で診る患者さんの内、病院での検査、治療が必要なのは一割もありませんから。

ですからこの当直で一番最初にするのは、自分で対処できるかどうかの判断です。
そのためにはまず患者さんの顔色、呼吸、話し方などを総合的に診る必要があります。家族の方に普段と比べてどうかと尋ねることも重要です。主訴、病歴、既往歴、手術歴、アレルギーなどを全ての患者さんに尋ねることは当然ですが、そうすれば、実際診察に入る前に大体の治療の予測はつきます。確定診断は多くの場合出来ませんが、週末ならば対処療法だけで、月曜日に主治医へ行きなさい、で片がつくことがほとんど。「今は大したことないけど、もっとひどくなったら病院に行きなさいね。」と言っておくこともよくあります。自分のための保険も兼ねて。ですから診察にハイテクを用いる必要はないのです。
それよりも自分の五感をフルに使うことです。そして、自分では対処できないと判断したら、救急車(救急医とかサイレンなしの)を呼んで、病院に運んで頂きます。一番多いのは、お年寄りで単純な風邪か、肺炎かわからないケースでしょう。

そんなわけで、産婦人科医でも家庭医救急当直は務まるとのお話でした。


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2015年04月10日

家庭医救急当直、その1

またドイツの片田舎よりKenjiです。
今日は産婦人科の医師が行う家庭医救急当直のお話。

ちなみに一般内科、小児科などの専門トレーニングは一切していません。医師免許取って以来産婦人科一筋です。こんな私がこの当直をするようになったのは、ひとえに人不足、と言うより内科、家庭医不足によるもの。
ここは大都市からは120kmほど離れた田舎で、開業医の年齢が毎年上昇しています。
若い医者は殆どが大都市志向で、田舎の開業医が後継者を見つけるのは至難の業。
当直も一週間毎晩続く激務ですので、ある一定の年齢になると免除されます。
だから毎年毎年該当者が少なくなり、以前は内科、小児科、外科、整形外科などの医者で回していたのですが、段々範囲が広がり、産婦人科も免れなくなってしまいました。
来年からは例外なしに全科の開業医が当直を相務める事となり、
「レントゲンなしでどうやって診断できるの?」(放射線科の医師)
「血液とか尿しか知らない。」(臨床検査医師)はまだ可愛い方ですが、
「生きてる人間診たことない。」(病理学医師)などになると悲鳴というか悲劇と言うか(笑)。

これを読んでいられる方々は、多分まだ若く、大学か、卒業して大病院に勤務していらっしゃるかでしょう。ということは、周りにハイテクの機械が揃い、それを駆使して診察されていることと思います。
ここの当直は全く逆のローテクで、往診に行く時に鞄の中に入っているのは聴診器と血圧計だけ
これで一体どうやって診察するのでしょうか。答えは次回に。


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2015年02月14日

緑が欲しい

はじめまして、ドイツの田舎で暮らしているKenjiです。本来は青年部会のブログに顔を出すには歳を取り過ぎているのですが、暫くお付き合いください。

2月に入り、日本では既に梅の便りもぼつぼつ聞かれるのではないでしょうか。ここドイツの田舎では、まだ冬の真ん中。12月半ばまでは割と暖かだったのですが、クリスマスの頃に雪となり、それが溶けたり、また降ったりの繰り返しで、写真の如くの状態のまま。気温は夜はマイナス3度位。昼過ぎになってもせいぜいプラス3度で、極端に寒いというのではありませんが、湿度もほぼ100パーセントで、じっとりと体に染みてきます。以前いたカナダでは、真冬はマイナス20度が普通でしたが、とても乾燥していて、過ごしやすかった事を思い出します。

kato01.jpg

冬の間日照時間が短いのも緯度の高い北国の宿命。毎日暗い中を出てゆき、仕事が終わると真っ暗になってから帰ってくるのも、気が滅入るものです。日本の殆どの場所ではそんなことはないでしょう。これは余り知られていませんが、北海道の最北端稚内市と同じ緯度(北緯45度)のヨーロッパの都市はどこだと思います?答えは南欧イタリアのミラノなんです。

今日の散歩の写真をいくつか。

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最後に夏の写真をひとつだけ。ああ、緑が欲しい、、、

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2014年12月26日

Happy Christmas!

ドイツの医師Sachiです。
皆様、どんなクリスマスをお過ごしですか。

ドイツのクリスマスは、日本のお正月とちょっと似ていて、
家族が集まって静かに祝うものです。
ドイツの新年は元旦だけが祝日で、三が日に慣れている日本人には物足りないのにひきかえ、
クリスマスは25・26日の二日間が祝日で、
お店も24日の午後から閉まり、バスも臨時運行のみになったりして、
町中がしっかり「お休みモード」になります。

寮に住んでいた学生時代のクリスマスイブ、
十何階建ての寮の建物で、灯りがついているのはほんの数室。
どんなに沢山友達がいても、クリスマスには皆、家族のところへ帰ってしまう。
がらーんと静まり返った寮で、
私の階では私一人が、帰る場所のない学生でした。

当時の私は病院で介護のバイトをしていて、
一人ぼっちのクリスマスに懲りた翌年からは、
イブには遅番、25日には早番を入れたりしていました。

入院患者さんも、軽症の人は皆クリスマスには家に帰るので、
残っているのは、帰るに帰れない重症の患者さんのみ。
ここにも帰れない人達がいるんだから、私も頑張ろうと思いました。

P1030757.JPG
大変な時があっても、いつかきっと幸せなクリスマスを。


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2014年09月30日

ドイツで気を付けるべき「食べ合わせ」など

こんにちは。ドイツの医師Sachiです。
今日は患者さんによっては注意しなければならない食べ物などについて。

■Johanniskraut(Hypericum perforatum;セイヨウオトギリソウ)
シトクロームP450酵素のCYP3A4を誘導するため、他の薬の効果を抑える事があります。よく例に挙げられるのは、ピルを飲んでいるのに妊娠してしまうというケース。
Johanniskrautはドイツでは軽い鬱の時に非常によく処方されますし、低用量ならドラッグストアでサプリメントと同じように買う事ができ、常用薬のリストの中に入れない人が結構いるので、注意が必要です。

■グレープフルーツジュース
これは、Johanniskrautと全く逆にシトクロームP450酵素のCYP3A4を阻害するため、他の薬の効果を高める事があります。「よく効けばいい」という単純なものではなく、過ぎたるは及ばざるが如し。薬の効き過ぎは害になります。グレープフルーツジュースを大量にがぶ飲みするのはやめましょう。

■Lakritze (Glycyrrhiza glabra;スペインカンゾウ、リコリス) 
血中カリウム濃度を下げたり、便秘気味にしたりします。これも好きな人は驚く程大量に食べるので、注意が必要です。

■納豆
日本でワルファリン(Warfarin;ヨーロッパではWarfarinではなくPhenprocoumonが主流)を飲んでいる患者さんには「納豆に注意」というのは常識でしょうが、ヨーロッパ人は知らない事が多い。納豆にはビタミンKが多く含まれているうえ、納豆菌が腸内でビタミンKの産生を続けるそうで、Phenprocoumonの効き目を抑えてしまいます。
普通、こういう薬を飲んでいる患者さんは「何を食べてもよいか」をしっかり教えられていて、自分で食べる物を選んでいるものですが、納豆を出す場合は言ってあげると親切です。

■昆布
昆布には、乾燥重量100gあたり100-300mgのヨウ素が含有されており、海産物の摂取による日本人のヨウ素摂取量の平均は1日に1−2mgだとか。
ドイツでヨウ素不足の人に処方するのが1日100μgとかですから、桁違いの分量です。(因みに乾燥重量100gあたりのヨウ素含有量は、ワカメが7-24mg、ひじきが20-60mgで、昆布がダントツです。)
従って、ヨーロッパ内陸部(つまりヨウ素の摂取量が少ない地域)で甲状腺機能に異常のある人に和食を作ってあげる場合、ちょっと注意が必要でしょう。

■テーブルビート
沢山食べると尿が赤くなる事があり、まるで血尿のように見えます。これは無害なので、慌てないよう。


「なあんだ、当たり前の事ばかり!」と思われるかも知れませんが、
これも「ところかわれば」なので、もしかしたら知らない人もいるかも、と、
集めてみました。


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posted by JMAE at 06:39| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月05日

ドイツの病院で働き始める前に

皆様、こんにちは。ドイツの医師Sachiです。
前回の話しのハンガリーの卒業式とは全く違い、
うちの大学では卒業式どころかパーティーすらありませんでしたよ。
最終国家試験の実技は順番に行われるので、終わる日にちもバラバラですし、
証書は郵送で(しかも代引き!)送られてきました。


さて、今日の本題。
病院で実習や勤務する時には、
病気に感染したり、事故にあったりする可能性もあるため、
自分の身は自分で守る、という事も必要になります。

ドイツでしたら、まずは開始前に家庭医(Hausarzt)を選びましょう。
勤務の場合は、勤務先の企業嘱託医(Betriebsarzt)が特定の検査をしますが、
家庭医ではその他の予防接種や定期健診をしてもらったり、
病気になったら病欠証明書を出してもらったり、
医師免許の申請の時には健康上問題がない事の証明をしてもらったり。

家庭医が決まったら、まずは予防接種のチェックです。
自分が感染して病気になる心配だけでなく、
自分が媒介して重病の患者さんに感染させてしまうと大変ですから、
きちんと受けておきましょう。

ドイツには予防接種手帳(Impfpass)があり、それを常に携帯します。
↓Robert-Koch-InstitutのStaendige Impfkommission(STIKO)の推薦する予防接種
http://www.rki.de/DE/Content/Kommissionen/STIKO/Empfehlungen/Impfempfehlungen_node.html
これがドイツのガイドラインとなっており、
普通の公的健康保険では、これらは全て全額保険負担で受けられます。

因みに私が今迄に受けたのは:
破傷風、ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、ポリオ、麻疹、おたふく風邪、風疹、インフルエンザ。
日本では成人してからは殆ど予防接種を受けていなかったので、定期的に受け直さなければならないものなど、期限切れが随分ありました。
A型肝炎は本来健康保険ではなく雇用主が費用を負担するべきものだったのですが、「雇用ではなく実習するので」と交渉したら、健康保険が負担してくれました。

また、病院に限らず、ドイツで仕事する場合、仕事による怪我など(Arbeitsunfall)に関しては健康保険ではなく労災保険(Unfallversicherung)の領域になります。
例えば勤務中に転んだり、注射針で自分を刺してしまったり、というケースは勿論のこと、
勤務時間中だけでなく通勤中もカバーします。
(出勤のために自宅の玄関のドアを出た時から、帰宅して家の中に入るまで)
但し、それなりに自分の身を自分で守っていなければ保障されない場合があると聞いています。
例えば踵部分に固定するベルトがついていないスリッパのようなつっかけで転んだり、
前が開いているサンダルのような履き物で、上から何かを落として足を怪我したり、
という場合には、すんなりと保障はされないかも知れません。
事故があった場合、すぐに労災保険の認定医(Durchgangsarzt; D-Arzt)の診察を受けて事故直後の記録を残しておいてもらう事も大切です。
例えば、勤務中に転んだけれど大した事がないと思って放っておいて、何日か経ってやっぱり痛みがひどくなって・・・というような場合、転んだ直後の記録がないと保障が受けられない事もあり得ます。
恥ずかしがって黙っておらず、すぐに同僚や上司に相談し、どこに行って何をしておかなければならないか教えてもらうこと。

また医師という職業は、訴訟と背中合わせです。
投薬ひとつとっても、副作用のない薬はありませんし、
手術や注射でも、治療のためとはいえ体を傷つける行為です。
医者も人間ですから、自分がミスをする事もあり得ますし、
自分に落ち度がなくても病気などの八つ当たりで訴えられる事もあり、
それらは経済的にも大きな負担になりかねません。
そこで、万が一の時のために、
職業賠償責任保険(Berufshaftpflichtversicherung)に自分で入っておく事はとても大切です。

因みにドイツでは、医師は常に人命救助の義務を負っています。
プライベートな時間であっても、命にかかわる怪我人や病人を見過ごしにしたら罪に問われますので、たとえ自分の専門外で自信がなくても、どんなに急いでいる時でも、必ず救助して下さい。
但しそれには「自分の命を危険に晒さない事」という重要な条件がついていますので、これまた注意が必要です。


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