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2015年01月03日

ブルガリア医学部の卒業式

明けましておめでとうございます。ブルガリアの医学部の卒業生のSoulです。皆さん、良いお年を迎えられたことと思います。

今日は少し遅くなりましたが、ブルガリアの医学部の卒業式の様子を報告したいと思います。

卒業式に限らずブルガリアの式典はド派手に行われるのが普通なのですが…

卒業生が学位帽とマントを着用する形式を初めて導入したのが私の大学だそうで、ブルガリア国内でも一番ド派手な卒業式で知られています。以下写真と共に紹介します。

まずは学長、各学部長の入場と挨拶。
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かなり厳粛な雰囲気の中、セレモニーが始まりました。

続いては、『ヒポクラテスの誓い』を卒業生が読み上げます。
IMG_2382 promotsiya fakultet meditsina.jpg
医療倫理の父である、ヒポクラテスの誓いを宣誓することで、すでに医師なったことを自覚して気を引き締められました。

この『ヒポクラテスの誓い』ギリシャ語が起源ですが、私たちが読み上げたものはブルガリア語翻訳されていて今回初めて目にしました。非常に貴重な体験になりました。

その後は、学長から一人ずつ直接卒業生に医師免許が手渡されます。
IMG_2410 promotsiya fakultet meditsina.jpg
ちなみに写真の彼は、全試験をall excellentでパスし、主席で卒業した同僚です。

その彼には

『Златен хипократ』

金のヒポクラテスという賞が与えられました。日本語訳すると微妙な感じですが、ブルガリアでは名誉ある勲章だそうです。

それと、この医師免許の授与なんですが…実は成績順に渡されていきます。

成績優秀者は良いのですが、後に続くにつれ知りたくもない順位を知らされることになります。

各国で色々な賞や慣例があるのではないでしょうか?


最後に、皆さんもTVなどで見たことがあるかもしれません。

全員舞台に揃って学位帽を一斉に上に放り投げるシーン。
IMG_2701 promotsiya fakultet meditsina.jpg

実際に自分ができるとは留学前は思ってもみなかったです。

この学位帽とマントは実は大学からの借り物で、後で返却が義務付けられています。

なので放り投げた帽子が行方不明になり一瞬焦る卒業生も少なくありません。言うまでもなく自分もその一人でした。

何もわからないまま入学してからあっという間の6年間でしたが、ブルガリア人の同僚、先生方に恵まれ、最後に素敵な時間を過ごすことができました。

また彼らと再会することを約束して、医師としてのキャリアを始めたいと思います。

それでは、皆さんにとって良い一年になりますように。

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posted by JMAE at 00:36| ブルガリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月17日

応援よろしくお願いします!!

こんにちはブルガリアでインターンをしているSoulです。ブルガリアの大学病院での実習も残り一ヶ月をきり、医学部留学も終わりに近づいています。欧州でスポーツドクターになろうと決心して留学したのがもう6年前。今日はそんな私にとって最近の嬉しいニュースとブルガリア留学生活で忘れられない1日について書かせて頂きます。

先日、一人の日本人サッカー選手がオーストリア・ブンデスリーガ、一部リーグ所属の『SK Strum Graz』とプロ契約を交わしました。

その日本人選手というのが秋吉泰祐選手。

akiyoschi 1.jpg

サッカーに詳しい人なら既にご存知かもしれません。今年で25歳、これからの活躍が期待される選手です。高校卒業後すぐに海外に渡り、プロとしてのキャリアを積んでいます。2年前ブルガリアの首都ソフィアの『PFC Slavia Sofia』というチームとプロ契約を結び、ブルガリアリーグ初の日本人選手としてヨーロッパデビューを果たされました。

それが今ではチャンピオンズリーグに出たこともあるオーストリアの一部チームで挑戦されようとしています。これがどれだけ凄いことか、元アスリートの私にとっては憧れの対象でしかありません。

今日は秋吉選手の魅力を私の思い出話を少し交えて紹介したいと思います。

同じブルガリアとは言え、彼の所属チームからバスで7時間以上離れた街に住んでいた私にとって、医学部での勉強も忙しく、始めは秋吉選手と知り合うのは至難の業でした。

そんな私に秋吉選手と会えるビッグチャンスが訪れたのが移籍後数ヶ月、アウェイの試合で秋吉選手が私の住んでいる街に遠征で来た時でした。

これはまたとないチャンスと思い、一人意気込んでスタジアムに行った私ですが…

周りは血気盛んでフーリガンの様なホームチームのサポーターばかり…

しかも観客に日本人は、自分一人ぼっち… 

自分のホームなのに一人だけ完全にアウェー…

ホームチームのサポーターに囲まれている中、アウェイチームの選手の名前を叫ぶなどもちろん御法度です!!試合中は甲子園ライトスタンドで一人、某在京球団のユニフォームを着ている感じでした。

そんな中、試合終了後、運良く秋吉選手が私の方に近づいてきました。

『今しかない!!』意を決して私はフェンス越しに、思いっきり叫びました。

『秋吉選手――――――――!!』

今思うと相当無茶したなぁと思います。自殺行為に近かったですが、地元サポーターもドン引きするぐらいの声で叫んだのが効いたのか(笑)、幸い袋叩きには会わずにすみました。

ブルガリアで知り合いがいるはずもない遠征先で自分の名前が叫ばれるとは思ってもいなかった様子の秋吉選手でしたが、親切にも私のところまで来てくれました。

フェンス越しに私に許された時間はたったの1分間。自己紹介とスポーツドクターになりたい熱意を彼に思いっきり伝えました。

その熱意が通じたのか、どこの馬の骨ともわからない一学生の私を、それ以来試合に招待して下さったり、健康相談、他の日本人選手の入団会見の通訳などの大役なども任せてもらいました。日本ではできないような貴重な経験をさせてもらって今でも彼に感謝しています。これだけで彼の魅力が伝わればいいのですが…

思い出話はこれぐらいにして、肝心の秋吉選手のプレースタイルです。

その端正な見た目からは想像もできないくらい海外の選手にもひるむことなくガツンとぶつかっていきます!!そのガッツ溢れるプレーを見て、私もそれ以来秋吉選手のファンとなったのは言うまでもなく、今このブログを書いています。

医療従事者としては、怪我しないかハラハラしていたのが本音なのですが…

そんな秋吉選手のヨーロッパでの挑戦を、近い将来医師としてサポートできればと思って私はこれまで医学を勉強してきました。秋吉選手だけでなく、将来ある日本人アスリートがヨーロッパで怪我なく思いっきりプレーできるよう、そんなサポートができるスポーツドクターに私はなりたいです。

今シーズン秋吉選手が怪我をすることなく、活躍されることを願っています!!

秋吉泰佑移籍A.jpg

オーストリア在住の日本人の皆さん、もちろん他の国に住んでおられる皆さんも、是非とも試合会場に足を運んで秋吉選手の応援をよろしくお願いします!!

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posted by JMAE at 03:02| ブルガリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月19日

ブルガリアの家庭医学研修

 マルタのmin先生に続き、ブルガリアで卒業を間近に控えたインターンのSoulです。ブルガリアに限らず、ヨーロッパの医学部では卒業前の一年間は大学病院で研修することになっていると思います。私の大学では大学病院の実習以外に、家庭医の先生の診療所での実習が義務付けられています。

 ヨーロッパでは当たり前の家庭医。日本でも少しずつ定着しつつある概念ですが、『実際どういうことをしてるの?』と思う方も多いのではないでしょうか。今月は家庭医の下で研修をしていますので、今日はその内容について簡単に紹介します。

 ブルガリア語で家庭医はСемейн Лекар, またはОбщо практикуващ Лекарと言います。ロシア語と同じ文字が使われていて、慣れるまでは読みにくい言語ですが、英語で言うところのGeneral Practitionerに当たります。

 ブルガリアの家庭医が働いているのはДигностично Консултативен Център(略ДКЦ)。 英語ではDiagnostic Consultative Centerという訳になります。日本でいう診療所でしょうか。

 小規模なものなら家庭医が一人だけの診療所、大規模なものなら複数の家庭医、リハビリ施設なども含むものもあり診療所といっても様々です。診療所には、家庭医の他に毎日日替わりで専門医が訪問診断に来ます。月曜日は婦人科、火曜日は神経科というように、家庭医とは別に専門医も診療所にいることになっています。大規模な診療所であれば複数の専門医がいますので、日本の様にどの科に行けば良いか迷うことはありません。

 ブルガリアの家庭医を一言で表現すると『何でも屋さん』でしょうか。というのも家庭医の元に来るのは、お年寄りから、妊婦さん、子供まで幅広い年代です。仕事内容も健康診断から、持病の薬の処方、子供の診察、事故などの緊急時の対応など、幅広い知識と経験が必要な大変な仕事です。そのため、評判の良い先生の診療所の電話は一日中、鳴り止むことがありませんでした。

 ブルガリアで、家庭医になるためのプログラムは3年間。その3年間の間に、内科、外科、小児科、産婦人科etc…幅広い知識を身につけなければいけません。それでも詳しい検査が必要なときは、専門医への紹介状を書き、迅速に診断できるよう対応しなければなりません。

 ブルガリアの国民健康保険制度はまだまだ課題が多く、予算も北欧などに比べると十分ではありません。一人の家庭医の先生が、紹介状を書けるのは毎月30通までと限られています。そのため、幅広い知識と経験を最大限に活かした、最低限の検査での診察、治療することが求められています。今回の家庭医の先生の下での研修は、その国の地域医療に触れることができ大変貴重な経験ができました。

 イギリスやドイツとは違い、ブルガリアには残念ながら日本人の医師はいません。在留邦人の方にとっては不便な場所ですが、かかりつけの家庭医を持つことをお勧めします。まずはお住まいの地区で評判の良い診療所(ДКЦ)を訪ねてみてはいかがでしょうか。


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posted by JMAE at 03:30| ブルガリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする