欧州日本人医師会の青年会員は現在22名。ヨーロッパの医大生や卒業生が、各国の医療・大学・就職情報などを交換したり、サポートし合ったり。

2016年02月21日

医学ドイツ語A

前回好評(?)を頂きました医学ドイツ語の続編です。

呼び名: くらんけ
書き方: クランケ
語源 : krank

クランケ、という言葉は医学生のバイブルたるブラックジャックにもよく出てきますので、聞き覚えがあるのではないでしょうか。
日本語で使われる場合の意味は患者です。
ドイツ語の“病気の”を意味するkrankが語源となっております。
ドイツ語は形容詞に定冠詞をつけて名詞化できますので、Der Kranke(男性の病人)Die Kranke(女性の病人)と書くこともできますが、実際には患者を表す単語としては"Patient"(パツィエント)が使われております。


呼び名: あなむね
書き方: アナムネ
語源 : Anamnese

問診のことです。
「アナムネ取ってきてね」はドイツ語で"Machst Du bitte die Anemnese?"
ドイツ語でもAnamnese(アナムネーゼ)はずばり病歴あるいは病歴聴取のことです。ただし、現病歴ではなく、文脈によっては既往歴を指す場合もあります。
区別するため、現病歴を Aktuelle あるいは Jetztige Anamnese(今のアナムネーゼ)という場合もあります。
日本では「問診」でなく「医療面接」と呼ぶように大学の授業では教えられましたっけ。
患者さんと医者が相互的である印象を受けるようにとのことですが、「イリョウメンセツ」なんて長い言葉は使うのをやめて、いっそのこと「アナムネ」を主流にしては?!


呼び名: むんてら
書き方: ムンテラ
語源 : Mundtherapie?

「俺、今からムンテラ行ってくるわ〜」と同僚が言った時には、患者さんあるいはご家族への病状説明、検査や処置などの同意を得るための説明などをしに行くということです。
しかし!私はこのスラングだけは声を大にして止めてほしい!!といつも思っています。
語源はおそらくMundtherapie(ムンド・テラピー)と思われますが、このような単語はドイツ語には存在しません。
心理的治療効果を含めた病状説明というニュアンスを込めたかったのかもしれませんが、直訳すれば「口の治療」「口による治療」・・・英語に訳せばオーラルセラピー???・・・なにやらいかがわしい響きを聞き取ってしまうのは私だけでしょうか。
ドイツ語では病歴説明をすることはAuskunft geben、説明することは一般的にerklären、同意書はReversと呼ばれます。
日本語では最近はIC=インフォームド・コンセントという言葉がニュートラルなニュアンスで使われております。
こちらは大変長ったらしい言葉ですが、ムンテラを死語へと追い込んでくれるよう応援しております。


呼び名: かるて
書き方: カルテ
語源 : Karte

え?!こんなものまでドイツ語?!と思われるかもしれません。カルテはもはや日本語ですね。
患者さんの経過、治療内容などを全て記した記録のことです。現在はほとんどの病院で電子化されて、電子カルテと呼ばれています。
ちなみにウィーンの公立病院ではまだ紙カルテなのですが。
Karteはカードという意味です。患者さんの記録は少なくともウィーンではKarteと呼ばれません。
Krankengeschichte(クランケン ゲシヒテ)=患者の歴史、あるいは紙カルテであれば単純にMappe(マッペ)=ファイルと呼ばれます。
もしかしたらドイツではKarteと呼ばれたりするのでしょうか?オーストリアの方言、ウイーンの方言もあるので、もしかしたらKarteと呼ばないのはオーストリアだけのことかもしれません。


今回は4単語だけですが、内容が濃いのでこの辺りで打ち切り、また次回をお楽しみに!

↓ランキングに参加しています。クリックお願いします!
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ 


 欧州日本人医師会では、ヨーロッパの日本人医師ネットワークを共に発展させていきたいという熱意ある会員を募集しています。
・現在ヨーロッパの医学部に在籍している学生(3年生/臨床医学課程以上)
・ヨーロッパで働く研修医(まだ専門医になっていない医師)
の方は、青年会員として入会する事ができますので、お問い合わせお待ちしています!
posted by JMAE at 05:22| オーストリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月27日

医学ドイツ語

ウィーンの吉田です。
ウィーンはオーストリアという中欧の国の首都です。なんて書くとそんなこと知ってるよ!とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、オーストリアという国の知名度は驚くほど低いです。
ウィーンという名は音楽の街ということでよく知られておりますけどね。


そんなオーストリアの公用語はドイツ語です。
当然ながらドイツ語で仕事しております。(そしてドイツ語で仕事していると言うと、ドイツに住んでいるとよく勘違いされます。)
ドイツ語を公用語としている国は比較的少ないですが、日本人は意外と馴染みがあるように思ってしまう言語ではないかと思います。
特に医学の世界では、ドイツ語は少し昔まではラテン語と並んで、おそらく英語以上に浸透していたことがあるのではないでしょうか。
学生時代の授業で、ドイツ語やラテン語の医学単語を使用されていた教授がいくらかいらしたのはまだ記憶にあります。
私が研修医をしていたときも、おかしな医学界スラングが飛び交っていたのを覚えております。
ドイツ語を学んでから、あ〜!あのへんなスラング、ドイツ語だったんだ〜!というものがいくつもあるので、一部紹介させていただきます。


呼び名: ごぷろつっかー
書き方: 5%ツッカー
語源 : Zucker

これは今でも私がニヤリと笑ってしまう単語です。
点滴に使用する5%ブドウ糖液のことです。
5だけが日本語読みなのがミソですね。
%はドイツ語読みでプロツェント、ツッカーは"Zucker"=砂糖です。
よく救急外来で「ごぶろつっかーつないで〜!」なんて叫ばれたりします。


呼び名: しゃーかすてん
書き方: シャーカステン
語源 : Schaukasten

こちらでオーストリア人医師と結婚されている日本人の女医さんとおしゃべりしていて初めてこれがドイツ語だと認識しました。
正しくは"Schaukasten"(シャウカステン)。
Shauen=見る、Kasten=箱
レントゲン写真を引っ掛けて、後ろから照らして見るための、蛍光灯が入った箱です。
レントゲン画像をコンピュータで見るようになった今でも、古い診察室の壁にくっついているのを見かけますね。
その日本人の女医さんがこちらへいらして間もなく、旦那さんの友達相手にネタとして使っていたそうです。

「ハイ、妻がドイツ語を話します!」
「いきます!
(壁を指さしておもむろに)
  ・・シャウカステン・・・」
かなり爆笑されたとのことですので、ウィーンの病院を見学される際に是非言ってみてください。


呼び名: ぜく
書き方: ゼク
語源 : Sektion

日本の病院では亡くなった方の病理解剖を行う際、よく「ゼクってね」、と言われますが、語源はsektion=切開するです。
しかし、ウィーンの病院でSektio(ゼクツィオ)と言えば、帝王切開のことになります。
病理解剖はObduktion(オブドゥクツィオン)です。
どうぞお気をつけを。


呼び方: すてった
書き方: ステった
語源 : Sterben

「今朝俺の患者がステっちゃって、ちょっと落ち込んでるんだよね〜」
なんて会話が病院で話されるときは、どなたかがお亡くなりになったということです。
「すてった」は決して「捨てった」ということではありません。
ドイツ語のSterben(シュテルベン)=死ぬ、を日本語の動詞化したのですね。
実際の発音はシュテルベンなので本来は「しゅてった」が正しいのでしょうけれど、これでは響きになんだか締まりがありませんよね。


呼び方: あぽった
書き方: アポった
語源 : Apoplexie

他の病気で入院されている方が、入院中に脳梗塞を合併することは残念ながらたびたび見られます。
Apoplexie(アポプレクシー)は脳卒中を意味するドイツ語の名詞です。
私が日本で研修をしていた頃、アポったとステったの意味の違いを知らず、アポった=亡くなるということだと勘違いしておりました。
どこぞの教団が「ポアする」、なんて言葉を使用していたのがまだ記憶に新しい時代でしたので。


呼び方: えっせん
書き方: エッセン
語源 : Essen

文字も発音もそのまま、Essen=食べる/食べ物です。
医師間では「エッセン行くぞ!」=「飯行くぞ!」という、ふと聞くと動詞を名詞化しているのかな?と思う不思議な言い方をされますが、ドイツ語でもそのまんま"Gehen wir Essen!"と言うので、実は文法的にも正しかったりするのです。


ドイツ語の単語が日本の医学界に浸透しているのは、明治時代に日本が西洋医学の知識を輸入した際、窓口がシーボルトなどのドイツ人が多かったからではないかと私は想像するのですが、事実はいかがなものなのでしょうか。
もしご存知の方がいらっしゃれば是非ご教授いただきたいものです。

↓ランキングに参加しています。クリックお願いします!
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ 


 欧州日本人医師会では、ヨーロッパの日本人医師ネットワークを共に発展させていきたいという熱意ある会員を募集しています。
・現在ヨーロッパの医学部に在籍している学生(3年生/臨床医学課程以上)
・ヨーロッパで働く研修医(まだ専門医になっていない医師)
の方は、青年会員として入会する事ができますので、お問い合わせお待ちしています!
posted by JMAE at 07:03| オーストリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月15日

学生寮

初めまして、ウィーンで内科専門医研修中の吉田と申します。

今回は留学生向けの情報を少し。

ウィーンには毎年夏学期に提携大学などから学生が数人見えています。
私が知る限り、名古屋大学と昭和大学はウィーン大学と提携しており、ほぼ毎年学生が1-3か月ほどの期間訪れています。
研究者、臨床医などは、個人のツテなどを頼って数か月から数年の単位で来られています。

学生に人気の科は救急、家庭医、外科などでしょうか。
中でもお勧めは家庭医(Allgemeinmedizin)で、Maier教授が毎年かなりの数の留学生を受け入れ、医学的なことのみならず、地域医療やオーストリアの医療システムについて包括的に見学できるよう、様々なプログラムを用意してくださいます。
http://allgmed.meduniwien.ac.at/ueber-uns/for-international-guests/about-the-department/

さて、主に学生向けに、今回は学生寮を探せるウェブサイトのリストを掲載させていただきます。
大学病院(AKH)があるのは9区ですが、ウィーンは公共交通網が発達しているので、多少離れていても通学にはさほどの不都合はありません。
尚、家庭医を訪れる場合は毎日違う場所を見学することになるので、住む場所はあまりこだわる必要がありません。
学生寮のサイトを見ると分かるのですが、サウナやジムなどが備わり、快適に過ごせるような作りになっているところが多いです。
また、様々な学生が宿泊するため、情報交換したり、一緒に遊びに行くにもとてもお勧めです。

英語のサイトで、9区(大学病院の近く)サイトの下の方に他の寮のリストがあります。
http://www.wihast.at/en/dormitories/student-housing-1090-vienna-student-dorm-tendlergasse/
英語のサイトで、9区のものですが、左側に他の寮のリストもあります。
http://www.stuwo.at/en/dormitories/vienna/dormitory-vienna-strudlhofgasse/
ドイツ語ですが、ウィーン市内の学生寮のリスト。
http://www.vienna.at/die-top-10-studentenheime-in-wien/news-20100825-05235791
これもドイツ語ですが、寮のリストで、地図もあります。
http://www.studieren.at/wohnen-im-studentenwohnheim/studentenwohnheim-wien
ドイツ語ですが、ウィーン大学医学部の学生支援ページ内にある寮のリストです。
https://www.oeh.ac.at/wohnen/studierendenheime#wien

ちなみに私が留学した時には、寮への情報がなかなか見つけられなかったため、短期滞在アパートに泊まりました。
割高でしたが快適で、様々な人と知り合うことができたので、それはそれでよかったと思っています。
おそらく日本語のサイトもあるからかと思いますが、こちらの音大受験に来る日本人の音大生が多かったのを覚えています。
http://www.j-strauss.com/

↓ランキングに参加しています。クリックお願いします!
にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ 


 欧州日本人医師会では、ヨーロッパの日本人医師ネットワークを共に発展させていきたいという熱意ある会員を募集しています。
・現在ヨーロッパの医学部に在籍している学生(3年生/臨床医学課程以上)
・ヨーロッパで働く研修医(まだ専門医になっていない医師)
の方は、青年会員として入会する事ができますので、お問い合わせお待ちしています!
posted by JMAE at 02:34| オーストリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする