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2021年05月16日

イギリスワクチンレポート

こんにちは! ロンドンのネコです、今日は、前回12月投稿に引き続き、イギリスにおけるCovidー19 及びワクチン普及の様子ついてお伝えしたいと思います。私の主観的な意見、情報が正確でない部分もあるかもしれませんのでご了承ください。


さて、12月末から変異株等の著しい感染拡大、世界第4位の死者数を記録し(1日の死者数約1800人)、3回目のロックダウンを経験したイギリス。クリスマス、正月もStay Home で家族で集まりも許されない状況でしたので、特に孫や子供たちに会うのを楽しみにしているご年配の方には、とても残念な年末年始となりました。大半の国民は、仕方ないと理解し、大人しくしていましたが、一部のアンチパンデミック人たちが数百人で違法イヤーエンドパーティーを開催し、警察に取締りを受けている報道なども記憶しています。


ワクチンプログラムは、昨年12月上旬から、ファイザーワクチンが、1月からはアストラゼネカワクチンが世界に先駆けてスタートしました。初めの一ヶ月は分配が遅いと批判を受けていましたが、感染拡大が深刻となったとこともあり、ワクチンプログラムが急速化し、各地で、病院施設以外でも、急遽、教会や美術館などの公共施設をワクチンセンターとしてオープンし、毎日ワクチンが供給されています。


Britain’s oldest Cathedral in Staffordshire の様子

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London Science Museum Vaccination Centre の様子 

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ワクチンプログラムの進行共に、劇的に感染が落ち着き、先日、“昨年7月以来のゼロ死者数(イングランド)”と報道がありました。現在では約60%の成人が一回目の接種を終えているとのことです。


5月15日のローカル新聞より 

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イングランドのワクチンプログラムでは、まず老人ホーム住人とそのケアの人が最優先で開始され、それから、年齢順(上から)で、N H S(ナショナルヘルスサービス)から、招待され(郵便レターと携帯にメッセージが来ます。)、希望者は無料で受けられるようになっています。現在38歳以上(5月15日現在)までが、招待されているようです。予約は国民全員同じでN H Sウェブサイトにアクセスして、名前とN H S登録 ナンバー(日本の保険証ナンバーのようなもの)入れて、年齢を満たしているか、免疫不全やハイリスク等の人、医療従事者かにチックを入れると、近くのワクチンセンターがいくつか案内され、2回分の希望の場所と時間を選び予約できます。予約システムは至ってシンプル、現地のセンターも混乱は特になく、効率的にてきぱきと行われているような印象を受けました。ちなみにワクチンの種類は自分では選べません、現地で打つ直前に伝えられます。まわりに聞くと4月より前まではアストラゼネカが圧倒的に多く、最近はモデルナを打ったとよく聞きます(が実際どのように分配されてるかは不明です。)。気になる副作用ですが、全くない人から、接種後1、2日のFlu-like 症状があったと、1回目は全く何の症状もなかったけど、2回目の時に何か症状が出るようなことを私のまわりでは聞きます。(逆のケースも然り)ちなみに私自身はモデルナを接種してもらいました、注射部位の痛みが数日だけあった以外は、特に何もなかったです、夫はアストラゼネカで、全く無症状でした。


私が受けたLondon Bridge Guy’s Hospital の様子

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IMG_8240.jpeg


接種後に受け取ったワクチンカードとパンフレット

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IMG_8242.jpeg


5月17日からは第二段階の規制解除で、室内レストランや美術館等も再オープンとなり、7月末までにノーマルに近い状態に戻す予定と政府は現時点で発表しています。新たなインド変異株の拡大も心配されていますが、このまま、状況の改善を祈るばかりです。



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posted by JMAE at 01:01| イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月06日

ドイツの専門医課程について

初めまして。Eji です。
私はドイツで医学部を卒業し、現在ドイツで医師として働いています。
今回のブログでは、ドイツの医学部を卒業してからの事を大まかに書こうと思います。

国家試験に合格するとAssistenzarzt(ärztin)と呼ばれ、
すぐに専門医課程に身を置くこととなります。
この専門医課程はそれぞれの専門に応じて、どの科をどれくらいの期間、
どこで行わなければならない、
という事がそれぞれの所属する州の医師会にて決められています。

決められた課程を終了し専門医試験に受かると専門医として、例えば 私は小児科医です
とか外科医です、と言うように名乗る事が出来る様になります。


私は現在 Allgemeinmedizin(一般医学)の専門医課程に居るのですが、
私が所属する州の医師会で決められているのは

臨床科において病棟勤務24ヶ月(そのうち12ヶ月は内科でなければならない)
外傷外科(整形外科を含む)又は一般外科6ヶ月
小児科6ヶ月
かかりつけ医の医院で24ヶ月(その内12ヶ月は5年目に行わなければならない) 
の計60ヶ月
加えて80時間の精神身体医学の基礎コース

となっています。それぞれ勤務するところには医師会で認定された
指導医が居なければなりません。
したがって、自ずと勤務先が決まってくるのです。
どこに誰が何の指導医として居るのか、は医師会のホームページで見る事ができます。
そして、皆大体の流れを5年分すでに計画する事が多いです。


私の場合最初の就職先は、医学部6年生の時の実習先の先生が
「俺の友達が医局長してる所と話をしてあるからそこに行け」と、
知らないうちに決まっていました😵
次は、その病院で一緒に働いていた先生が医局長になった所に行き、
小児科はまだ大学4年生の頃に、自分の子供の小児科の先生がいつ卒業?と聞いてきて、
じゃあここからウチね、と6年後の勤務が決められ・・・
外科は最初の病院で勧められてそこになり、
かかりつけ医は6年生の時の実習先と、最初の勤務先で一緒に働いていた
別の先生の所でお世話になる、となっています。

同級生達を見てみると、皆大体同じような感じで学生の時や勤務先で知り合った
先生方の所に行っています。
なのでちょこちょこ行き先が被っています(笑)



ちなみに他科で見てみると・・・

産婦人科医になるためには
産婦人科60ヶ月
60ヶ月の内、12ヶ月までにおいては、他科での研修も可  
加えて80時間の精神身体医学の基礎コース

小児科医になるためには
小児科60ヶ月(少なくとも36ヶ月は小児科病棟勤務であること、
そのうちの6ヶ月は新生児集中治療室勤務でなければならない)
60ヶ月の内、6ヶ月まではリハビリ施設勤務可であり、
12ヶ月までは他科での研修も可  
加えて80時間の精神身体医学の基礎コース

のようになっています。

これが州によって微妙に違ったりしますので、州を替えてしまうと
今までの研修時間が換算されない場合があり注意が必要です。


また、時短で働く場合はそれに応じて計算されます。
例えば80%で働く場合、12ヶ月必要な場合は15ヶ月働く必要がある、
といった具合です。


私は子供が小さく最初の2年間は時短で働いていましたが、
時短で帰れることなどほぼ皆無で結局は通常勤務と同じどころか、
残業に当番など書面上の時間の2倍は働かされておりました・・・。

小さな子供を持つ女医同士で良く話すのですが、時短にすると損をするので
絶対にオススメしません。
時短にしても、書類上の通常勤務である週42時間勤務など余裕で超えるにも関わらず、
残業代はほとんど出ません(病院によるとは思いますが)ので給料は低く、
書類上は勤務時間が短い為に専門医課程は長引きます。

ドイツの医師の給料は賃金表があり、専門医になれば給料が上がります。
また開業医でも働く事が可能になり指導医が居ない病院でも働けますので
職場の選択肢も増えますし、皆最速で専門医を取ろうとするのです。

専門医試験は、国家試験と違い何回でも受けられます。
ただし、前回の試験から半年待たなければなりません。

ドイツの医学部卒業後から専門医になるまでの流れは大体こんな感じです。


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posted by JMAE at 07:18| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月10日

医者の妊婦生活inドイツ

こんにちは。消化器内科・感染症科4年目のトヨダです。

私は1月にドイツで出産をしたばかりの新米”frischgebacken”ママです。
妊娠がわかった日はコロナ専門病棟の夜勤明け。

ドイツでは妊婦は残業・夜勤・週末シフトをしてはいけません。
FFPマスクの長時間着用もNGなのでコロナ病棟はもちろん感染症病棟を担当できなくなってしまいました。

まずは産業医のところへ行って必要な採血を済ませ、予防接種の接種状況に応じて労働条件などの見直し・アドバイスを受けます。
ドイツでは予防接種は母子手帳ではなくImpfpassという専用の手帳に記録します。↓
csm_Impfausweis_WHO_d85115064b.jpg

上司と話し合った結果、私はエコー検査担当に。
勤務時間は8時から16時半まで、毎日定時で帰ります。

・救急外来からの患者(現在はコロナの疑いがあるため)
・隔離されている患者
・二十歳以下の患者の検査は同僚に任せます。

他にも採血等の患者の体液・血液に触れる作業はしてはいけなかったり、ベッドを押してはいけなかったり。
さらには心臓マッサージをしてはいけない(医者としてどうなの?)等、病院が決めたガイドラインに沿って仕事をします。

ドイツでは検診を受けるクリニックと出産をする病院は別で、出産予定日の4〜6週間前になると自分の選んだ病院に申し込みをします。
通常であれば分娩室を見学することが出来るのですが、コロナの影響で私は助産師さんに勧められて決めました。

母子手帳はこんな感じ↓
Mutterpass_Frontseite.jpg
日本と違って出産するまでの記録になります。
出産後は子供の検診手帳と上記の予防接種の手帳を別でもらいます。

妊娠中にやらなければならないことの中に、助産師さんを探すことがあります。
産婦人科での妊婦検診とは別に家庭を訪問して、体調管理やベビー用品の準備についてアドバイスをしてくれます。
産後も赤ちゃんとお母さんの体調管理をしてくれたり、授乳や沐浴、お肌のケアなどを手取り足取り教えてくれます。
ドイツでは里帰り出産はしないので、助産師さんのサポートはとても心強く、必要不可欠です。

産休は出産予定日の6週間前から出産後8週間ですが、私は結局夜間のつわりで睡眠不足になってしまって昼間仕事にならなかったので、早い段階でドクターストップになり、8月から1月の出産まで仕事をお休みする事になりました。
ゆっくり休めたおかげか本当に問題一つない妊婦生活を送ることができ、理解のある同僚たちに感謝です。
唯一のストレスは今までと変わらない食事をしていても体重が増え続けて止まらないことでした。
ドイツの体重制限は日本ほど厳しくはなく、12〜16キロくらいと指導されますが、もう少しで上限に達してしまうところでした。

かれこれ無事に出産し、現在は夜間の授乳を懐かしい夜勤だと思って乗り切る毎日です。
私の所属する消化器内科の女性医師で女の子が生まれるのはなんと15年ぶり!
まるで自分の事のように喜んでくれる同僚がいるのは、とても貴重で幸せなことですよね。

では、次はドイツでの出産について詳しく書ければと思います。

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posted by JMAE at 03:33| ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月20日

2020年のロンドンの様子を振り返って

こんにちは、イギリス、ロンドンのネコです。

今日は、ロンドンのコロナパンデミックの状況について、簡単にまとめてお伝えします(情報に正確でない部分があるかもしれません、ご了承ください)。


3月21日から6月末まで、第一次ナショナルロックダウン、この時は、スーパーマーケットと病院、薬局以外、全部(学校も)閉鎖されました。

この期間は通常、進級に関わる試験があるのですが、延期されたり、オンラインになったり、また、学校が閉鎖したことで学生が十分に準備できず、進級テストの平均点が例年よりかなり下がったということが報道されていました。

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3月末のピカデリーサーカス


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人気のない地下鉄の駅


7月上旬から、段階を経て、学校、大学、美容・理容室、8月からは、商店、カフェ、レストラン、映画館、美術館が徐々にオープンしました。国内旅行は可能となり、夏のバカンスは、スコットランドやコーンウォール地方(英国最南西部)の観光地が通常よりも賑わっていたとのです。海外への渡航は制限がありましたが、それでも、イタリア、フランス、スペインへ出かけた方も結構いた様です。8月9月は、海外旅行者はほぼいないものの、国内からの渡航者でロンドンはそれなりに賑わっていました。しかし、第一次ロックダウンの影響で街の多くの部分で、レストランやパブ、ブティック、ホテルは既に閉店、空きのテナントも目立ちました。それに伴い、元々外国人労働者の多いイギリス、多くの外国人労働者はこの期間に仕事がなくなり、母国へ帰国せざるを得なかった人も多くいたと聞いています。9月11日からは、“6人ルール”というのが、発表され、6人までなら、室内でも会うことが可能となり、割と通常に近い状態になりました。しかし、この時点でも、コンサートホールやミュージカル等のシアターは、開場が許されていませんでした。N H S -C O V I D19の携帯アプリもこの頃から、普及し始めます。


この一ヶ月後、第二波がやってきます。10月14日より、ナショナルロックダウンを避けるため、地方ごとに3段階(medium/high/very high)に分けて規制をかけると発表しました。この時点で、規制があまりにも頻繁に変わるので大半の国民は混乱。政府はナショナルロックダウンは、経済への影響が激しいため、2度目はないとしていたものの、11月3日から12月1日まで一ヶ月限定でナショナルロックダウンとなります。欧州国ではクリスマスはとても特別で、家族で過ごすことがとても重要視されており、この処置は楽しいクリスマスのためだから、その前の一ヶ月我慢しましょう的な、雰囲気でした。延期も懸念されていましたが、無事、12月2日から、ロンドンでは、Tier2(この時期からTier1-3制度が導入)とされ、商店、カフェ、レストラン、パブがオープンし、さらに、3月以降ずっと閉鎖していたミュージカルやバレエ等のシアターも半分の客数キャパシティでオープン可能とされました。街は、クリスマスムード。12月8日からは、ワクチン投与も始まり、希望と明るい雰囲気になっていました。


図3.png

1214Regent Street


が、それも束の間、この10日間で一ヶ月のロックダウンの反動もあり、多くの国民が動いたため、感染者数が一気に増え、12月16日から、ロンドンはTier3(最も厳しいレベル)となり、たった2週間で、渋々、シアター等は閉鎖。それでもこの時点では、クリスマス期間(12月23日から28日)は、規制を緩めるので、家族は集まってクリスマスホリデーを過ごすことは可能とさていました。しかし、その3日後の12月19日に、新たにTier4(スーパーマーケット、病院薬局以外閉鎖)が設定され、12月20日より導入、クリスマスも12月25日のみ、3ハウスホールドまで集まって良いとされ、今まで設定されていたクリスマス特別処置ははかなく中止と発表されました。その事情は、急速に倍増し続ける感染数と死者数、変異株が現時点で23種類検出されていることなど、N H Sのパンクを避けるための仕方なしの処置とされています。変異株は感染力が通常株より強いが、重症になるケースが増えるわけではないと現時点では発表されています。そんなこんなで、イギリス一般市民は、コロナ感染の懸念に加え、日々変わる規制に翻弄、混乱、精神的なストレスは、高まる一方の今日この頃です。

1219日のニュースより。


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posted by Shota at 23:14| イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月30日

スロバキアの大学を卒業しました〜

こんにちは!スロバキアのShotaです!


ご報告遅れましたが、7月に大学を卒業しました!

晴れて医師になることができました


こんな状況下でしたので、卒業式はキャンセル、卒業証書も卒業生個々に手渡しでした


大学入学前に夢見ていた

長いローブを着て、6年間苦楽を共にしてきた仲間達と一緒に四角い帽子を青空に向けて投げる

という儀式は儚く消えていきました、、、


皆さん、なぜ帽子を投げるか知っていましたか?

僕は知らなかったです。この記事を書くまでは、、、


調べてみるとこの帽子投げは


「卒業への喜び」を表現していると言われています。


卒業式での帽子投げの始まりとされているのは、
1912年アナポリス海兵士官学校というアメリカの学校の卒業式です。

海兵士官学校の士官候補生の帽子は、
卒業すると士官用の帽子に変わります。

つまり候補生用の帽子はいらなくなるので

卒業生が、必要のなくなった帽子を投げることで
卒業した喜び達成感
卒業することの開放感を行動で表現したと言われています。

そしてこの帽子投げが、発端の士官学校で毎年の恒例となり、
次にアメリカ全土、世界に広まって行ったと言われています。(諸説あり)


また、僕の大学では卒業生が大学の前の道路にペンキで名前を書く伝統?的な行事があります。

この状況下だったので、普通はグループごとに書くはずでしたが、仲の良い友達数人でカキカキしました

たぶん歴代最高に大きなサインになりました。


話が逸れましたが、

僕はヨーロッパで働くためにドイツ語を勉強しています。

この状況下のせいでドイツ語教室延長、VISA取得や病院見学規制など多々問題はありますが、ヨーロッパで就職できるよう日々精進していきたいと思います!

以上、Shotaでした!


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posted by Shota at 05:20| スロバキア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月08日

医者に必要な会話力

皆さま、こんにちは。
ドイツの医師Sachiです。

私はドイツで医学を修めたのですが、入学してつくづく思ったのは、
「ドイツ語が話せる」のレベルが全く違うという事。

ドイツ語を学ぶ環境では、少人数のゼミが中心で、
静かな教室で、先生もゆっくりはっきり話してくれる。
母国語じゃない者同士の集まりだから、
こちらが言葉に詰まっても、誰もが辛抱強く待っていてくれる。

ところが大学に入って、母国語の人に囲まれたら、容赦ない。
階段教室でマイクを使い、わんわんエコーする。周囲の雑音も多い。
ドイツ語でひそひそ話しとか、した事もなかった。
友達とのお喋りでもゼミでも、なかなか口を挟む隙もないし、
言葉に詰まれば他の人にすかさず話題をとられる。
実習が始まれば、脳卒中の後で麻痺している人やら、
入れ歯ではっきり発音できない人もいるし、
そもそも耳が遠くて、こちらの発音が悪ければ、さっぱり解って貰えない。
上手く発音できないのを、大声で何度も繰り返させられる、バツの悪さと言ったら。

患者さんには「ゆっくり・はっきり」だけれど、同僚には真逆のトレーニングが必要。
個人の意見を大切にする文化なので、
議論で自分の主張ができなければ、何も始まらない。
医者も医学生も、同業者に対しては機関銃のようにまくしたてる人が多くて、
電話でやり合えるようになるまで、随分かかった。

これは会話とは関係ないけれど、
患者さんが分厚い病歴ファイルを持って来たら、
さーっと目を通して大事な情報を拾えなければいけないし、
勤務先によっては、何ページにもわたる詳細な報告書も書けなければならない。
語彙だって、医学用語を覚えなければいけないのは当然として、
「凹レンズ」とか「ショウジョウバエ」とか、そんなレベルからのスタートでした。

これはドイツ語特有なのだけれど、
例えば3桁の数字なら、百の位→一の位→十の位の順に、
分数なら、分子→分母の順に読む。
だから、私は今でもドイツ語での暗算が苦手だし、
当直で寝ぼけている時に電話で数値を言われても、すっと頭に入らない。

そもそも、ドイツは発言を大切にする文化で、口約束でも法的に有効となる。
極端な例では、
役所での結婚式でも、サインする前に婚姻の意志を問われ、
「はい」と言った段階で既に婚姻が成立し、書類には婚姻後の姓でサインする。
未だに古臭い書類社会でもあるのだけれど、
発言というのはまた別の重きがあるので、軽んじる訳にはいかないのです。

こちらに来てもう20年で、流石に困らなくなってきていたのだけれど、
コロナでマスクをするようになって、ちょっと後退。

という感じです。

医者というのは、信用第一。説得力がいる。
なので、語学力はとっても大事です!
でも、語学なんて、やれば誰にでもできるので、皆さん頑張って下さい。




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2020年06月07日

コロナ禍でのハンガリー学生生活

こんにちは、ハンガリー医学部6年HUです。


ハンガリーでは、3月11日に非常事態宣言が発令されました。その後、無期限で延長される事が発表され、ようやく6月20日に解除されることとなりました。


新型コロナウイルスがアジアで流行し始めた頃、私は小児科実習中でした。
毎日、「好中球減少症」の患者さんの問診をするように指導担当医から指示されましたが、ただでさえ感染症を起こし易い状態でいる小児、さらに他国でのアジア人差別も話題になっている頃で、心に一抹の不安を抱きながら親御さんに毎回許可を取り、触診し、勉強していました。


マスクの文化がないハンガリーで、日に日にマスクを着用する人が増え、見えない敵と闘うように人々がピリピリと緊張感を増していく姿は、しっかりと記憶に残っています。


イタリアで爆発的に感染者数が増えてからは、ハンガリーも時間の問題だ…と、不安感が増していき、ついに初めての感染者が出てから、
在籍している大学から、6年生に医療現場にボランティアとして入るかの確認がきました。
私の在籍大学がある都市での感染者数が少なかった事もあり、感染病棟で学生が働くことはありませんでしたが、他病棟には配属することになり、6年生としては、いよいよ医療従事者として働く事を強く意識するきっかけとなりました。


段々と外出規制のおかげで感染者数の増加が緩やかになり、5月に入ってからは物流も元に戻ってきました。
今では薬局だけでなく、ドラッグストアでもマスクが手に入るようになりました。


気温も上がり、道路脇にはラベンダーが咲き、夏の到来を感じますが、観光客が押し寄せて、また感染者数が増加しないように心から願う日々です。


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posted by HU at 08:56| ハンガリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月16日

コロナウイルス情報 ドイツ・大学病院編

ドイツで少しずつ感染者集が増え始めたのは2月末。周囲の危機感はまだかなり薄い状態でした。この頃1週間ほど日本へ帰りましたが、日本の方が状況は悪いのではないかと私はこの時思っていました。

3月に入ると感染者数は増え始め、自主的にマスクや手袋を着用する人もちらほら。ヨーロッパではまずマスクをする習慣がないので、皆さんつけ方が間違っているうえにマスクを頻繁に触ります。手袋をした手であちこち触った後に、そのまま煙草を吸っている人や携帯を耳にあてて話している人も見かけました。

3月中旬になると移動・外出・お店の営業制限等を始め、2週間でどれくらい結果がでるのかという気持ちでした。ここからひたすら感染者数が増え続けます。最初のうちはレストランなど必要だとされ営業が許可されていましたが、途中からはそれも禁止になりました。電車はガラガラで、天気が悪かったこともあって外出制限は最初の頃はよく守られていたと思います。集中治療室(ICU)を担当していた私は、この頃からコロナウイルス専門の感染症病棟(HDU:High Dependency Unit)の担当になります。家族からは心配されましたが、ドイツでは早い段階で病院の体制が整い、毎日安心して仕事に行くことができました。

3月下旬にはまだまだ病院では余力がある状態で、患者数はこのあたりがピークだったように思います。もし次の波が来なければの話ですが、、欧州では当初イタリアの医療崩壊が報じられていましたが、徐々にスペイン、フランス、オランダと状況は悪化。ICUのベッド数が足りなくなった隣国からドイツ各地で受け入れが始まります。欧州だからこそ出来る事だと思うし、つい先日も嬉しそうに母国に転院・退院していく患者さんの姿を見て、私も嬉しくなりました。

4月になると症状の改善された患者さん達が徐々にICUからHDU、そして一般病棟やリハビリ病院へと転送されるケースや退院する人も増えました。現在は入院患者数がだいぶ減ってきたので、私は来週からICU担当に戻ることになりました。治療に当たるスタッフ全員が毎週PCR検査を受けるのですが、今のところ陽性は出ていないそうです。私の病院では一人目の患者が入院する前から防護服の着脱指導がスタッフ全員に対して行われたので、それも功を奏したのではないかと思います。

この2ヶ月間、何より毎日変わる院内のシステムと記録しなければならない情報の量、それに加え研究やミーティング、院内だけでなく近隣病院からの問い合わせ、ものすごい頻度で鳴る電話の対応にやや疲れましたが、とても良い経験になりました。

今は規制も徐々に緩和され、外出する人も多く見られますが、お店に入る時や電車に乗る際にはマスク着用が義務づけられています。まだまだ安心はできませんが、また普通に生活出来る日もきっと近いはずです。


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2020年04月25日

メルマガ最終回 ドイツで医者になる

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2年前のメルマガ最終回 ドイツで医者になる【2018年4月24日発行 Vol.44】

欧州日本人医師会青年部から、こんにちは!ドイツの医師Sachiです。全10回の連載、楽しんで頂けたでしょうか。最終回の今日は、私の個人的な話しをしますね。

私がドイツの医学部に入学したのは2000年。当時ドイツの医学部は外国人も学費が無料で、例えば1学年が180人のところに、5席程度の外国人枠があり、そこに数百人の応募者があったりすると聞きました。

最初の2年間は教養課程なのですが、日本の大学の教養課程とは違い、医学生のために特化された内容のみです。例えば物理学なら、レントゲンやMRI、目のレンズの仕組みなど。ラテン語や古ギリシア語も、文法は医学用語で必要な名詞の活用のみ。それでもぎちぎちで、早い日は朝7時15分から1コマ目が始まり、遅い日は夜8時まで。教養2年間で、ドイツ人学生でも半数位が振り落とされていきます。そこに外国人が太刀打ちしようというのですから、起きている時間は全て勉強するしかありません。食事中もバスの待ち時間も暗記カードを手放さず、シャワーを浴びながら暗記の復習。眠気に襲われると、立って勉強しました。

当時はまだ、現在の東欧医学部英語コースのようなものはなかったので、欧州全体でも日本人の医学留学生は少なかったと思います。スマホどころか自宅にインターネットがないのも珍しくなく、私自身、勉強に手一杯で、同じ状況の日本人医学留学生や日本人医師を探す余裕もなく、全くの未知の世界をたった一人で歩いているような心細さがありました。

今は家庭医としてこの地に根付き、欧州日本人医師会で大先輩から後輩まで幅広い交流があり、日本からも実習生を迎えたりして、楽しく充実した生活です。

そして、あの死にもの狂いの勉強に無駄はなかったと、日々感じています。皆さんも、どうぞ頑張って下さいね。


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5年生修了時に行われる第2回国家試験の過去問題集だけで、この分量。試験は1問90秒のペースで約4時間を4日間、プラス口述試験。

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国家試験が近づいた、ドイツ人同級生の鏡と…


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クローゼット。
私は暗記カードを持ち歩くタイプなので、違いが面白かった。


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卒業後、ガムシャラ新人時代を越え、産休育休を挟み、今はマイペースに働いています。
欧州日本人医師会の総会は子連れ参加歓迎で、こんな小さな時からお世話になっています。



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2020年04月10日

メルマガ第9回 ヨーロッパの出産・子育て事情

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2年前のメルマガ第9回 ヨーロッパの出産・子育て事情【2018年4月10日発行 Vol.42】

欧州日本人医師会青年部から、こんにちは!欧州のとある医学部を卒業したての杏です。今回は医師・医学生の出産・子育て事情にについて話したいと思います。何時、誰と、どのような形で、何処で出産するのか。出産・育児は世界中の女医・医学生にとっての難しいテーマです。私はまだ医師になりたてで、医師よりも医学生についての方が詳しいため、今日は医学生・前期研修生の出産事情についてお話ししたいと思います。

医学生のうちに出産する率ですが、私の母校の場合、二学年に一人は出産をする人がいた気がします。女性に限らず、在学中に親になる率で挙げると、一学年に一人はいます。在学中に親になる人の多くに共通しているのは、北欧出身、または北欧出身の配偶者がいる事です。スウェーデンやノルウェーから医学留学する人々は、結婚していなくても子供を産むと自身で、またはパートナーと決めた場合、サクッと産む印象があります。日本と明らかに違うのは、あえてシングルマザーとして出産する人が度々いる点です。同棲はしているけど、あえて籍を入れずに産むパターンも珍しくありません。

医者になってからの場合も、北欧出身者の出産率が圧倒的に高いです。私の周りにはドイツ・ギリシャ・ポルトガル・アメリカ・スウェーデン・ノルウェーなど多くの国からの留学生がいますが、前期研修の激務からでしょうか、未だに北欧以外の人々からはそのような便りはありません。北欧出身で学生時代からのパートナーがいる女医さんの場合、前期研修(場合によって半年〜1年)と後期研修の間、又は後期研修が終わる前に子供を産むケースが多いようです。これは政府から全額負担の産休手当が1年間出ることと、産休に対して職場の理解がかなりあること、そして一人前の医者が抜けるより研修生が抜ける穴の方が病院側にも負担が少ないという考え方があるためのようです。

ちなみに私は学生出産した一人で、多くの人に「どうやって留年しないで卒業したの?」と聞かれます。ケースバイケースだとは思いますが、私の母校は高学年になると試験のほとんどが口答試験で、試験期間の中から受験日を選べた事や、講義が少なくローテーションと自習勉強が多かった事、そしてローテーション先の先生方が妊婦に対してかなり優しかった事が大きな助けとなりました。とはいえ、ローテーションも講義も自分が医者になるためのもの。産後の国試勉強の時にやっぱりもっと頑張っておくべきだったかも、と考えさせられました。

私の場合、最後の内科の卒試兼国試1ヶ月前が出産予定日だったので、残りの試験の日程だけ理事長と話し合い、クラスメートが卒業した3ヶ月後に大学を卒業する事ができました!無事に産めたこと、無事に卒業できたこと、そして、元気な子供を育てられることのいずれも、決して自分一人の力ではできないことだなと身に沁みて感じる日々でした。


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我が子


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北欧の風景1


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北欧の風景2




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posted by JMAE at 05:13| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする